場面カットはアニメイトタイムズの記事をご参照ください
みるきの決断
エキシビション直前ということもあり、今回はウンディーネとみゃむによる緊急特番が行われた。その内容はまつり達それぞれが印象に残っているライブを紹介するというものであり、構成としては第10話と同じである。言ってみれば総集編的な回ではあるが、だからと言ってこのシリーズにおいては気を抜くことは許されない。第10話でもジェニファーによるタイトル回収が行われたりと、しれっと重要な場面を挟んでくるからだ。今回もまさにそんな回だったと言える。
全体的に軽いノリで進行していた番組だったが、みるきが「エキシビションのセンターやるの辞めるお」と宣言したことでシリアスな空気となっていく。みるきは前回のジェニファーの圧巻のライブに恐怖さえ覚えてしまい、自身がセンターとして彼女に立ち向かっても勝ち目がないと考えているようだ。一見するとみるきが弱気に傾いてしまったように見えるが、個人的にはあまりそうは思えなかった。むしろみるきはこの五人で絶対に勝ちたいと思っているからこそ、自身があれだけ渇望していたセンターの座を辞退するという苦渋の決断をしたのではないだろうか。みるきは計画を練ってから行動に移す慎重なタイプだと思うのだが、今回に限ってはその勝算が全く見えてこなかったのだろう。ただそれはひな先輩の「やってみないとわからない」という考え方とは相反するものであり、結果的に二人は言い争いに発展してしまう。
奇跡は起こすもの
みるきとひな先輩の衝突は第15話を彷彿とさせるが、そんな二人に待ったをかけたのもその時と同様にれもんだった。れもんはまつりのライブから「奇跡は自分で起こすもの」ということに気付き、その方法は合宿で共に努力した時間の中にこそあるという結論に至ったようだった。第15話でも思ったことだが、れもんはみんなが動揺している場面でも深く冷静に物事を見つめられるのが素晴らしい。おそらくそれは「漆黒の明星」によって磨いた観察眼によるものなのだろう。そしてそういった考えを周囲に発表できるようになったのは紛れもなく彼女がプリマジによって成長したからだと言える。
そんなれもんの意見に賛同したのはあまねだった。当初はプリマジを引退することすら考えていたあまねだが、そんな彼女がプリマジと向き合う決意をしたのはやはり合宿が内面に変化を与えたからだろう。こうしてみんなに向かって自身の想いを吐露するあまねを見ると、今回の合宿で最も成長したのは彼女なのではないかと思えてくる。こうして各キャラクターの成長が見て取れると2ヶ月ものあいだ合宿編を見守ってきた甲斐があるというものだ。
しかしどれだけ合宿の意義を述べてもジェニファーへの具体的な対抗策が無いのが現実である。そんな中でまつりは「五人でセンターをやる」という秘策を思いつく。今回はそこで終了してしまったのでそれが具体的にどういったものなのかは不明だ。今回はまつりはあまり目立っていなかったが、れもんが奇跡について考えを巡らし、あまねが自身を見つめ直すに至ったのはどちらもまつりがきっかけとなって起きたことである。多くを語らずともその行動によって周囲に影響を与えるのはやはり主人公の器がなせることなのかもしれない。
合宿の中心に立っていたみるきが思い悩むときに、他の四人が彼女を支えるというのはこの期間に信頼関係が育まれたことをあらわしているように感じた。あれだけバラバラだった五人がここまで来られたこと自体が既に奇跡だとは言えないだろうか。
次回、第23話「最後の試練 みんなでセンター!」
エキシビションのセンターは、5人全員で!そう決めたまつり達は、打倒ジェニファーに向け、最後の猛練習に励む。しかし、ウンディーネはその様子を心配そうに見つめていた。ある日、突然練習場にやってきたウンディーネはまつり達に、「最終審査よ」と言い放ち、合宿所の裏山の頂上まで来るように伝える。互いにサポートしながら山頂を目指すまつり達。しかし、ついにれもんが体力の限界を迎え、しかたなく休憩をとることに。みんなの足を引っ張って申し訳ない、そう謝るれもん。しかしまつりは、れもんのおかげでこの合宿が楽しかったのだと、話を始める……
エピソード ワッチャプリマジ!|テレビ東京アニメ公式
やはり「みんなでセンター!」の意味するところが気になるところだ。
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