場面カットはアニメイトタイムズの記事をご参照ください
それぞれのプリマジ
最終話は人間界にいるまつりと魔法界にいるみゃむが通話する場面からスタート。第50話でみゃむが「あうるがなんとかしてくれるんだぞ」と言っていたのはまつりを安心させる意味合いもあるのかもしれないと思っていたが、どうやら本当に通話可能にしてしまったらしい。まつりとみゃむが気軽に連絡が取れることが事実として描かれたのは嬉しい限りだ。それにしても相変わらずあうるが有能すぎる。
まつりはユーフォリアレビュー優勝のご褒美を何にするか悩んでいた。運営側の粋な計らいでプリマジスタ全員が優勝ということになり、その報奨として好きなお願い事を叶えてもらえることとなったからである。しかもオメガと魔法界がタッグを組んでいるということもあり、大概のことは叶えられるという。
まつりが悩むなか、他の5人は次々にご褒美を決定していた。まずあうるはご褒美を利用してオメガコーポレーションの役員に就任したとのこと。ジェニファーがアポローンと化した際にはその責任を感じている描写があうるにもあった。二度とあんなことを起こさせないように、オメガコーポレーションの根本的な改革に乗り出したのだろう。13歳の望みとは思えない。
ひな先輩は、あうるが創設した新規のプリマジ運営委員会に就任していた。もうすぐプリマジ卒業を控えていたひな先輩は、その進路としてプリマジの運営側となることを選んだとのこと。ただプリマジの年齢制限はあうる達の提案により撤廃となるようで、ひな先輩はまだまだ現役プリマジスタとしてステージに立てるようだ。この二人が運営に携わればプリマジの未来は明るいだろう。
その一方であまねはプリマジから離れる道を選んだ。自らの劇団を立ち上げ、そこで活動をしていくらしい。とは言うものの、それは修行期間のようなものらしく、そこで磨き上げた表現力をプリマジでいつか披露する考えのようだ。翠子先輩が言っていた「高み」を目指すことに決めたのだろう。翠子先輩の書いた脚本があまねの劇団で演じられる日も遠くないのかもしれない。
れもんはプリマジスタのスカウト活動を申し出ていた。勇気を出してプリマジスタへの道を歩み出すことの素晴らしさを彼女は誰よりも理解している。漆黒の明星としての鑑識眼もある。ぴったりの役割ではないだろうか。今作においてみゃむと同じぐらいに大きな成長を見せてくれたのがれもんだと思っているが、行動範囲の狭さは相変わらずの模様。
余談だが、れもんが「すごい子が見つかったでござる!」と話していた女の子は、キャラデザが妙に凝っていたこともあり色々と憶測を呼ぶ存在だったように思う。幻の第二期で登場予定だったのか、それとも新シリーズに関わってくる子なのか、そのどちらでもないのか……。
そしてみるきが申し出たご褒美は言うまでもないだろう。彼女の夢だった「みるきかわいいミュージアム」の建設である。「世界中のかわいいが集う場所」とのことだが、その大半はみるきに関するものになる予定。第29話でも言っていたように、その館長はれもんが務めていくようだ。みるれもは今後も安泰だ。
このように見ていくとそれぞれの境遇は大きく変化したものの、そのエネルギーは全てプリマジへと向けられていることがわかる。5人のプリマジは終わらない。この世界においてプリマジという分野はまだ未成熟な印象を受けるが、彼女たちの活躍によって今後はより多くの人々へ浸透していくのではないだろうか。そんな希望に満ちたエピローグだった。
最高のプリマジスタ
祈瑠はひとりで旅に出る決意をしていた。あうるが役員になったことで安心したという部分もあれば、それが刺激になったという理由もありそうだ。春休みには橙真とひゅーいも合流するということなので、楽しい男三人旅になっていくことだろう。
その後、帰ってきたジェニファーのライブとなった。曲は『Believe』だが、以前に披露された時とは異なる要素が多い。サンシャインエレメンツコーデを身にまとい、そして今の彼女の隣にはリューメがいる。つまりはグランドフェスで優勝した時のジェニファーの完全再現である。もしくはそれ以上だろうか。
ステージ上で微笑み合うジェニファーとリューメからは彼女たちの深い絆を感じさせてくれた。チュッピとマナマナの理想の関係性を体現しているからこそ、二人のプリマジは人を惹きつけて止まないのだろう。まつりもこのライブに衝撃を受けていたが、自身がプリマジスタになったことで改めてジェニファーの凄まじさを理解できたのかもしれない。そして嬉しそうに歓声を送るひな先輩、感慨深く目を潤ませる阿智彦など、そのどれもが印象に残るシーンだった。
その後、サプライズでジェニファーにステージへと呼ばれたまつり。会場からは彼女のプリマジを期待したまつりコールが鳴り止まない。さすがに躊躇するまつりだったが、そのとき突如として上空に魔法陣が出現。そこから姿を現したのはマジが枯渇してしまったはずのみゃむだった。多少はマジが回復しているのだろうが、その不安定な浮遊を見ると彼女がまだ完全ではないことは明らかだ。やはり無理をしているのだろうが、それでも今はとにかくこの二人のプリマジが見たいという気持ちが強い。前回を視聴したことで、当たり前だったみゃむの存在が自分の中で尊いものになってしまったようで、彼女を見ると敬虔な気持ちになってくる。
みゃむと作り上げたラブエレメンツコーデでライブへと臨むまつり。曲はもちろん『マジ・ワッチャパレード』。曲の途中で回想シーンが流れたが、そのどれもが印象的であり、それらが全て一年以内の出来事とは思えなかった。個人的には『ワッチャプリマジ!』と共に濃密な一年間を歩めたと実感している。
イリュージョンでまつりが放った「私、最高のプリマジスタになったよ~!」という言葉を聞けて非常に嬉しくなった。第1話でまつりが書いた夢は「カッコイイ自分でいたい!!」というものだったが、今のまつりはそのときに夢見た自分になることができたのだろう。
プリマジは終わらない
曲の終わりと共に「Fin」の文字が出て物語は終了……だったら感情のやり場がなくて自分は発狂していたかもしれない。
その後、舞台は魔法界へと移り、ひとりで歌を口ずさむみゃむの元に現れたのは、なんと人間形態のマナマナたちだった。「動物の姿は仮の姿で、本来は人間」というのは第19話で明かされた設定だが、それも見る機会は無いのだろうと諦めていたところからの逆転ホームランである。
アニメの最後に登場したマナマナたちはこちらです💖
— アニメ『ワッチャプリマジ!』公式 (@PrettySeriesPR) October 9, 2022
10月11日(火)にはゲーム公式Twitter @T_ARTS_PRETTY から
『ワッチャプリマジ!スタジオ』
の新情報発表もあります🎉
楽しみにお待ちいただけると嬉しいです✨#プリマジ大好き!#プリマジ pic.twitter.com/YnFpEwMyAw
上記のツイートを見ると『ワッチャプリマジ!スタジオ』の告知映像に登場したシルエットは人間形態のチムムだったことがわかる。みんながそれぞれ違う魅力を持っているが、個人的にはきゃろんが好みすぎて辛くなった。
さらに、あの日の写真を見て微笑むみゃむの元へ突如として飛び込んできたのはまつりだった。第1話のみゃむの登場時とは逆の構図である。まつりが優勝のご褒美としてお願いしたのは「魔法界への留学」だった。つまりは今後もみゃむと一緒にいられるようになったのである。それを聞いて一瞬涙を滲ませるも、すぐに嬉しさを爆発させて「一緒にプリマジやるぞ!」と言うみゃむが実に愛らしい。
舞台は魔法界に変わるが、まつりとみゃむは今後もプリマジスタとパートナーとしてステージに立ち続けるのだろう。そんな希望を抱かせながら『ワッチャプリマジ!』の物語は幕を閉じた。
個人的には文句のつけようのない最終回だった。先週はアニメの放送終了発表と、第50話の放送内容も相まって感傷に浸りつくしていたが、最終回全体に溢れる希望に満ちた展開はそんなモヤモヤを吹き飛ばしてくれた。寂しさよりも爽快感が勝った最終回はこれが初めてかもしれない。それだけに第二期が見たい気持ちが膨れ上がってしまったが、こればかりは仕方がない。プリマジの物語が終わるのは悲しいが、その締めくくりとなったのが第50話と第51話の内容で本当に良かった。心からそう思っている。
「感想記」のおわりに
一年間お疲れ様でした。そしてこの感想記をここまで読んでくださりありがとうございました。
「プリティシリーズ」の10周年記念作品となった『ワッチャプリマジ!』ですが、それが一年間での放送終了に加え、アニメシリーズの連続放送終了にもなってしまったのは自分としても残念に思います。その裏にどういった事情があったのかは自分にわかるはずもありませんが、その中でも納得のいく物語の終わり方を見せてくれたことに今は感謝しています。
もしかすると『ワッチャプリマジ!』は未完成の作品だったのかもしれません。ただ個人的にはその中にも「きらめく」ものが確かに存在したと思っています。徹底的に個々のキャラクターを掘り下げていく姿勢や、スポ根アニメを彷彿とさせる数々の展開に触れた時、自分は「プリティシリーズが進化しようとしている」という興奮を覚えたものでした。またそういったシリアスな描き方があったからこそ、合宿の5人センターやまつりとみゃむの関係性を通じて表現されたキャラクター同士の繋がりがより心に残る展開になったと思っています。特に第50話を視聴したときは「ここまで一対一の絆を深く描いたシリーズはこれまでに存在しなかったのではないか」と思わせるほどに深い感動を覚えました。構想がありつつも描ききれなかった部分もあるかもしれませんが、自分としては『ワッチャプリマジ!』を通してたくさんの大切なものを与えてもらいました。
終わりを迎えつつも予想外に爽やかな気持ちでいられるのは最終回の内容によるところも大きいですが、それと同じぐらいに新シリーズへの期待が膨らんでいるのもあります。連続放送終了に際しての「一旦休止」という言葉をどのように受け取るかによって印象が変わると思いますが、プロデューサーの大庭さんのツイートを見る限りは再開となる日もそう遠くはないのでは……と思ってしまうのは希望的観測でしょうか。
アニメ「ワッチャプリマジ!」応援ありがとうございました!#プリマジ大好き #プリマジ pic.twitter.com/74baqCfqsr
— シン・オオバ (@SHINOHBA) October 9, 2022
悲嘆するのはきっぱりと「もうアニメは作りません」と発表されたときでいいでしょう。「一旦休止」と言われたからにはその言葉を額面通りに受け取って、アニメがパワーアップして帰ってくる日を自分は待ちたいと思います。
ありがとうプリマジ!
楽しい一年間をありがとう!
お疲れ様でした!
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