【感想記】ワッチャプリマジ!第44話「みるきぃどり~む♡めしあがれ(ぺこり)」

【感想記】ワッチャプリマジ!第44話「みるきぃどり~む♡めしあがれ(ぺこり)」 ワッチャプリマジ!

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TVアニメ『ワッチャプリマジ!』第44話 先行場面カット・あらすじ公開! | アニメイトタイムズ
【アニメイトタイムズ】2021年10月3日(日)から、テレビ東京系6局ネットにて好評放送中のTVアニメ『ワッチャプリマジ!』(以下、本作)。2022年8月21日(日)放送の第44話「みるきぃどり~む♡めしあがれ(ぺこり)」より、先行場面カッ...

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ピンク髪危うし

ヘブンズ化を成功させるためにはプリマジスタとエレメンツとの絆が欠かせない。そのことに悩むみるきに、気を利かせたはにたんがブライトネスエレメンツのルークス(CV:藤原夏海)を呼び出してくれた。イケメンの登場に興奮するみるきだったが、ルークスは紋章を渡すかわりにピンク髪を黒髪に戻すというまさかの条件を提示してきた。単に自分の好みだからという理由である。第20話でみるきがピンク髪にする際のエピソードを知っているだけに、そんな条件は言語道断だと声を大にして言いたい。それに何よりも自分は単純にピンク髪が好きだ。

ルークスはなぜか黒髪時代のみるきの写真を持っているのに加え、その写真をネット上に流出させたりとやりたい放題である。異常性が目立つが、どうやら彼には「みんなから求められた自分でいるべき」という考えがあるようだ。勝手に昔の写真を流出させられたみるきではあるが、「こっちの方がスキかも」といったコメントが付くなど黒髪もおおむね好評な様子。そうであればヘブンズ化も約束されるわけだし、黒髪に戻すのもそれほど悪くないのではないか。ルークスの言葉にも一理あるからこそみるきは思い悩んでしまうのだろう。

みるきが信じる「かわいい」

ただそれに意義を唱えた人間もいた。ひとりがれもんである。「にわかでござる!」の怒号から流れるようにみるきのピンク髪や碧眼の魅力を唱えるその姿は、まさに視聴者の気持ちの代弁者だった。プリマジオタクとしてのれもんとしても、みるきのデュオ相手としてのれもんとしても、今回の一件については到底黙ってはいられなかったのだろう。ただその場はアーテルが仲裁し、またルークスが姿を消してしまったこともあり、うやむやのまま終わってしまった。

そしてもうひとりはまつりだった。みるきが黒髪に戻そうとしているのを知ると、れもんと同様に「そんなの駄目!」と絶叫。ただまつりは黒髪にすることに意義を唱えたのではなく、みるきが「しょうがない」と言ったことが許せないようだった。まつりは「なりたい自分になりたい」と思うからこそ頑張れるのであり、そしてそれを教えてくれたのが他でもないみるきだった。だからこそ、みるきが自身の信念を犠牲にしてまで黒髪にするのを見過ごすわけにはいかなかったのだろう。

みるきには全体の利益になるならば自分が犠牲になってもいいという考え方があるように思う。合宿のときにセンターを辞退しようとしたことにもそれがあらわれている。だからこそ利他精神に溢れるれもんと相性が良いのだろうが、違う見方をすれば絶対的な信念が無いとも言える。この段階ではみるきは自身の信念であるはずの「かわいい」を完全に信用できていない。「かわいい」はみるきが見た目を変えたことをきっかけに出会った後天的な武器だ。だからこそ自然と人を惹きつけるまつりや、圧倒的な歌唱力を持つれもんなどの先天的な性質を武器とするふたりに自分のことは理解できないと考えてしまうのかもしれない。

美容院に到着したみるきだったが、脳内に反響するのはまつりの「みるきちゃんの心、いまワチャワチャしてる?」という言葉だった。改めて黒髪だった頃から現在に至るまでの自分を見つめ直すみるき。そこに存在したのは単に「かわいい」が好きな自分ではなく、「かわいい自分が大好き」なみるきだった。これは「かわいい」を自分本来のものと考えられるようになったという点で今までと意味がまったく異なる。つまり本来ならみるきにとっては髪色も目の色も些細なことで、自分が自分らしくいることが何よりも重要であり、だからこそ自分に自信を持てるし、だからこそ自分を最高に「かわいい」と思うことができるのである。

会場に現れたのは、これまで通りにピンク髪のみるきだった。言いつけを守らなかったことに明らかに不機嫌になるルークスだったが、そんな彼を前にしてもみるきの態度は変る様子はない。今のみるきは「大好きな自分が一番かわいい」ことを理解しているからである。「昔のみるきも悪くないお」という言葉にも彼女の変化があらわれている。他人に「かわいい」を決定させること自体が、みるきにとってはすでに「かわいくない」のである。自分だけが信じられる「かわいい」があればいい。「かわいい」が本当の意味でみるきの信念となった瞬間と言えるだろう。

ライブは当然ながら『イワナイ』のヘブンズバージョンとなった。あらためてこの曲のダンスは癖が強めで見ていて楽しい。またブライトネスエレメンツのコーデの見た目もあり、ステージ上で舞うみるきは天使のようだった。みるきはライブの回数が少なく、そのほとんどがデフォルトコーデということもあり、こうした特殊コーデのライブは新鮮で嬉しい。

そんなライブをルークスは終始険しい表情で見ていたが、みるきのマジが凝縮された今回のプリマジにはさすがに観念した様子。みるきの宣言どおり「心がメロメロ~ン」になってしまったルークスは、意外にすんなりとコーデをヘブンズ化してくれた。面倒な性格はしているが、プリマジに対して正当な評価をするあたりはさすがにエレメンツといったところだろうか。もしかすると今回の一連の騒動もルークスなりにみるきの成長するきっかけを作ろうとしていたのかもしれない、というのは考えすぎで単なる黒髪好きなだけな気もする。

みるきの「かわいい」という信念が絶対的なものになるという点で今回は非常に意義深い内容だったように思う。みるきのかっこよさにより磨きがかかった印象だ。

祈瑠と橙真

今回はその裏で引きこもりと化した祈瑠に焦点を当てたストーリーも展開されていた。一連の騒動の引き金を引いてしまった祈瑠は責任を感じており、自室にこもって塞ぎ込んでしまっているのだった。あうるやめが姉ぇが声をかけるも、それもやはり無駄な様子だ。

そんな祈瑠の心を徐々に開いていったのが橙真だった。祈瑠のためににゃんこ飴を作っていったり、扉の前から声をかけたりと、絶妙な距離感で干渉するあたりが橙真の素晴らしいところだ。橙真がこうして祈瑠と話そうとするのは第28話での出来事が関係していた。あの時ひゅーいが話してくれなければ、橙真は事の重大さを知ることはできなかっただろう。またその後にまつりと会話をしたことが、橙真がプリマジスタとして足を踏み出すきっかけとなった。対話が現状を打開する一歩となる。それを身をもって理解しているからこそ祈瑠を放っておけなかったのだろう。とはいえそのような理由があろうと、それを行動に起こせるあたりに橙真の人格者ぶりがあらわれていると思う。

橙真の献身もあり、祈瑠は観客席へと現れる。ただ祈瑠は「確かめにきただけだ。あらすじに沿ったエンターテインメントこそが正しいってことを」と発言するなど、この段階ではまだ阿智彦の思想を引きずっているように見える。ただみるきの渾身のライブはルークスだけではなく、祈瑠の心にも衝撃を与えてしまったようだ。一連の出来事で多くのものを失った祈瑠だが、だからこそ今はクリアな気持ちでプリマジを見られるようになったのかもしれない。

ライブ後に橙真と連絡先を交換するなど、今回で二人の仲はかなり縮まった様子。一方でひゅーいの連絡先は欲しがらないなど、こちらは時間がかかりそうだ。ただ橙真に気を許すが、ひゅーいには冷たいという構図もそれはそれで面白いかもしれない。それに伴ってメンズトリオでのライブも現実味を帯びてきたのは嬉しいことだ。

次回、第45話「科学の道、あうるの道」

次回はあうるがメインの回。これまで壁に衝突するような展開の無いあうるだけに、ヘブンズ化のプレッシャーを乗り越えられるかどうかが少し心配ではある。

あうるは道人から、ユーフォリアレビューを実際に行う為に天空にプリマジスタを届ける為のシステムの開発を依頼される。一方でやる気を取り戻した祈瑠もプリマジ再開の為にオメガコーポレーション取りまとめを始めるのだった。あうるはシステム開発に勤しむが、その難しさに挫けそうになる。そんなあうるの事も分からない様子で、フラッシュエレメントのボルトは御芽河邸を抜け出し各所で騒動を引き起こして回る・・・

エピソード ワッチャプリマジ!|テレビ東京アニメ公式

コメント

  1. 匿名 より:

    黒髪にするかを悩むところで、みるきの真っ白じゃない人間らしさを感じる。昔の自分も悪くないって言ったところも好き。
    どちらかに極端に気持ちが傾くんじゃなくて、黒髪を受け入れつつピンク髪のままにしたところがいいよね。ほんと魅力的なキャラだと思う。

    これからの展開およびその感想記も楽しみにしています。更新がんばって!

  2. 匿名 より:

    ブライトネスエレメンツの名前は『ルークス』ですね……
    ラテン語で光という意味らしいです

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