マナマナとチュッピを繋ぐのはマジの力。
場面カットはアニメイトタイムズの記事をご参照ください
What's my Primagi?
ひな先輩はあまねとの渾身のリフト技でジェニファーの元へたどり着いたものの、冒頭であっさりと地面へと落とされてしまった。あれだけ盛り上げての成功だったのに呆気ない気もするが、今のジェニファーは最も親交のあったひな先輩にさえ容赦しないほどに変貌を遂げてしまっていることはあらためて理解できる。みゃむが言うには時間を経たことで太陽のエレメンツ・アポローンが支配権を握りつつあり、ジェニファーとしての意識はもはや消えかかっているそうだ。
再びのジェニファー=アポローンのライブでは彼女の想いがモノローグで語られた。プリマジという名の光があるからこそ、人々はそこに縋り、無数の悲しみが生まれる。ならばそのプリマジを破壊してしまえばいい。やはりジェニファー=アポローンの考え方は第41話から一貫しているようだ。『プリパラ』ではそういった悲しみの中からガァルルという存在が生まれたわけだが、彼女が後に気高い存在へと変化していく未来を知っているため、そういった可能性ごと滅ぼしてしまうジェニファーの考え方には寂しいものを感じてじまう。
ジェニファーの圧倒的な力の前に絶望する一同。もはや「喜びの舞」などとは言っていられない状況である。案の定、みゃむの魔力も前回までの無理がたたって尽きてしまっていた。もはや為す術が無い状況だが、この中にあってまつりだけは諦めていなかった。ようやくここにきて待望の主人公のターンがやってきた。
まつりは言うなれば、ジェニファーが消し去ろうとする「悲しみ」を覆してきた人間である。ジェニファーに憧れて立ったプリマジのステージは常に華やかな場所ではなく、ときに残酷な敗北をまつりに突きつけた。エレメンツに認められなかったことも内心では悩んでいたようだ。しかしまつりはそのような挫折や苦悩を経験しつつも「私はプリマジが好き!みんなが好き!ジェニファーが好き!」と言い切るのである。
自身が失ったものを持っているまつりの言葉は、ついにジェニファーに届く。ジェニファーはグランドフェスを優勝したことで「世界中の人に愛を届ける」という願いを叶えた。それは言い換えれば彼女の「マジ」だったわけだが、いつしかその願いによって自らが縛られてしまったのだろう。リューメを失い、体が引き裂かれそうな思いの中でも、彼女はチャンピオンとしての役割を完璧に果たそうとしてきた。しかし結果的にそのことが今回の悲劇を招いてしまった。「マジだから苦しい」とジェニファーに言わせてしまった。だからまつりは「世界が愛でいっぱいでも、ジェニファーが泣いてたら私は嬉しくない!」と彼女のマジを否定するのである。
「ジェニファーにとって、プリマジって何?」
「What's my Primagi……」
このやり取りは第10話のまつりとジェニファーを思い出すが、その立ち位置は真逆となっている。ジェニファーに「まつりにとってプリマジって何?What's your Primagi?」と問われたまつりは、第13話で「みんなで楽しむマジのお祭り!」「マジでやるから本気で笑える!」と答えていたのだが、当時のジェニファーはまつりのその答えに少し驚いたような表情を見せていた。個人的に印象に残っているシーンだったのだが、今思えばジェニファーがそのような反応をするのも当然に思う。ジェニファーにとってはまつりの言葉のすべてが今の自分からあまりにもかけ離れたものだったからだ。リューメを失い、自身のマジを見失いかけているジェニファーにとって、それは遠い昔の自分を見ているような気分だったのだろう。
まつりの問いかけに対してジェニファーは心の奥底にある、自身の本当のマジを見つめ直す。それは「リューメに会いたい」という、ただそれだけのことだった。逆に言えばたったそれだけのことを許さず、ここまでの事態を引き起こしてしまった魔法界の罪は重い。
愛の精霊
ようやくジェニファーの本心へと辿り着いたものの、ときはすでに遅く、ジェニファーはアポローンとの完全融合を果たそうとしていた。そんな状態のジェニファーにも決死の思いで寄り添うまつりを前に、みゃむが突如として変貌を遂げる。それは愛の力を司る「ラブエレメンツ」の姿そのものだった。みゃむが突如としてエレメンツ化した詳しい理由は不明だが、個人的にはジェニファーに無償の愛を送るまつりを前に、ここまで誰よりもまつりの愛情を受けてきたみゃむが共鳴したのではないかと思っている。まつりとの出会いによってみゃむの心は大きく成長したわけだが、その究極的な結果がみゃむのラブエレメンツ化と言えるのかもしれない。
ラブエレメンツコーデを手にしたまつり。しかも他のプリマジスタとは違い、力を授けてくれるエレメンツは長きにわたって連れ添ってきた最高の相棒でもある。このタッグの力は凄まじく、瞬く間にジェニファーとアポローンを分離させてしまった。ジェニファーのようにライブでその力を発揮するのかと思っていたので少々意外ではあったが、愛の力は偉大ということにしておきたい。
またジェニファーから引き剥がされたアポローンだが、その引き際は意外にも潔いものだった。もしかするとアポローンも心の奥底では「悲しみをプリマジごと焼き尽くす」などという選択肢は本意ではなく、そのような結末を避けることを望んでいたのかもしれない。神が人間に与えた試練と言ったところだろうか。
ついにはジェニファーの前でユーフォリアレビューを披露できなかったわけだが、それは地上に戻って行われることになった。曲は『ワッチャ!プリーズ!マジック! -What's your "Please" Magic?-』。第23話で披露されて久しいが、今回はそこにあうるも加えた6人版となった。それに加えて全員がヘブンズコーデということもあり壮観だ。一連の事件をフェスの余興として捉えている観客としては最高の展開なのかもしれない。
その裏では解放されたリューメがジェニファーとの再開を果たしていた。個人的にはジェニファーを元に戻す鍵になるのがリューメだと思っていたので、すべてが終わってからあっさりと復活したのは意外だった。そもそもリューメが封印されていた明確な理由もよくわからん。
そして嫌な予感はしていたが、ラストは意識を失っているみゃむをまつりが発見してところで終了。次回はみゃむに何が起きたかどうかが焦点となっていきそうだ。色々と駆け足になっているのが否めないだけに、どのように着地していくかが気が気でない。
次回、第50話「キミがあたしにかけた魔法」
あらすじの段階で切なくて胸が締め付けられる。『プリティシリーズ』らしく、別れの中にも前向きな要素が欲しい。
全てが終わった穏やかな朝。みゃむも加えた陽比野家では、普段通りの楽しげな声が飛び交う。しかし、ジェニファーをアポローンから取り戻す為、まつりを助ける為に使った魔法により、みゃむのマジは尽きて人間界にその身体を留めておくことが出来なくなってしまっていた。その事を分かっているまつりとみゃむは二人とも、さよならのきっかけを探す様に、楽しい思い出をなぞって街を歩きまわる…
エピソード ワッチャプリマジ!|テレビ東京アニメ公式
また二期についての話もそろそろ気になるところだ。ライブにて『ワッチャプリマジスタジオ』の情報は公開されたものの、現状では不明な部分が多すぎる。
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