【感想記】プリパラ 第123話「ノンシュガー漂流記」

プリパラ

無人島といえばノンシュガー。そしてノンシュガーといえば無人島。

TVアニメ『プリパラ』第123話より先行場面カット到着 | アニメイトタイムズ
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無人島アイドル

プリパラで「アイドル無人島サバイバル」というイベントが開催されることになった。あのプリパラジムが主催の段階で嫌な予感しかしない。その内容も「最後まで生き残ればグランプリで有利になる」という女児向けアイドルアニメらしからぬものだったが、ノンシュガーの結束を固めたいのんはこの機会を逃すまいと人一倍の意気込みを見せる。

無人島での生活は凄惨を極めた。最初こそ頼りがいのあったペッパーも、この生活に馴染みすぎてしまい最終的には野生に帰って人間の言葉を忘れる始末。そして潔癖症のちりちゃんが漂流生活などできるはずもなく、早々に精神崩壊を起こしてしまっていた。今回の見所は不便と不衛生に苦しむちりちゃんの変顔にある。

しかしいつまで経っても協調性の無いちりとペッパーに対し、ついにのんの精神も限界を迎えてしまう。「ノンシュガーは解散かいさーん」と言い残して森へと走り去ってしまった。この濃すぎる二人の間に立ってここまでよく頑張った方だと思う。

「これでよかったのですわ」と解散を受け入れようとするちりだったが、ペッパーは「のん、嘘!解散したくない!」と引き止める。そんなペッパーがちりに差し出したのんの日記帳には、彼女がノンシュガーというチームにかける想いがありありと残されていた。この日記を見たちりちゃんが「プリパラのわたくしでは誰ともチームなんて作れっこありません」と悲しげな表情で言っていたのが非常に印象的だった。彼女も心の奥底ではノンシュガーの一員として頑張っていきたいと思ってはいるが、それを妨げてしまう自身の変化に戸惑いや歯がゆさを感じていたのだろう。

一方のペッパーも「ちり、あたい嫌い。ばっちぃって言う。でもあたい好き!」と涙ながらに吐露するなど、彼女の健気で素直な性格が見て取れた。自由奔放に見えて、ペッパーなりに責任を感じている部分があったのだろう。

この三人は出会いからチーム結成までの勢いが凄まじかったが、それが災いして互いの心情を打ち明けるような機会が得られなかったように思う。そういう意味では今回の共同生活は地獄ではあるものの、今のノンシュガーにとっては理想的な場所だと言えるのかもしれない。

「パー」になったちりちゃん

そんな折、のんの悲鳴を聞いた二人は森へ向かう。そこでのんが何者かにさらわれるのを目撃したペッパーは、それを「物の怪だ!」と言って怯えきってしまう。

いつものちりちゃんであればこういう場面では遠巻きに静観しているだけだったろう。しかしのんとペッパーの想いを目の当たりにしたちりちゃんは最早これまでの彼女とは違っていた。のんを救い出し、ペッパーを守ろうという気概が彼女には芽生えていたのである。やはりウサチャの見立てどおり、ちりちゃんは「パー」として仲間を包み込んで守ることのできる存在だったと言える。

その後、ペッパーの感謝のペロピタを受け止めたちりちゃんが無事におかしくなるなどの迷場面もあったりしたが、結果的に無人島サバイバルはノンシュガーの優勝となった。そして肝心のグランプリで有利になるプレゼントだが、まさかの「あなたたちの笑顔」というオチだった。

普通だったら「ふざけんな!」と言っても良さそうだが、冷静に考えると今のノンシュガーにとってこれ以上に有効なプレゼントは無い。ノンシュガーの弱点は未完成な部分にあったわけだが、それが今回の無人島編で絆が生まれ、ついにチームとして完成を迎えたわけである。

トリコロールが結成した際にはその完璧さゆえに恐ろしさを感じたものだが、それに対してノンシュガーは荒削りな部分に底知れなさを感じてしまう。色々な魅力を内包していそうだし、あらゆる可能性を秘めていそうに思えるのである。

ライブ後、ちりとペッパーにも神チャレンジライブが発動したことで、ノンシュガーも次のグランプリに出場できることとなった。もう結果が見えたようなものだろう。

次回、第124話「ジュリィとジャニス」

どんなアイドルにも分け隔てなくフレンドリーに接するジュリィ。女神という立場を感じさせないその雰囲気に、プリパラのアイドル達だけでなく妹のジャニスも困惑していた。いつしか、神アイドルシステムを司る女神の務めについて、姉妹間で考え方のずれが生じていたのだ。一度姉ときちんと向き合いたいと願うジャニスに、待望のチャンスが訪れる。

テレビ東京・あにてれ プリパラ

姉妹喧嘩勃発。

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