【感想記】ワッチャプリマジ!第46話「貴女に捧げる…『愛しています』」

【感想記】ワッチャプリマジ!第46話「貴女に捧げる…『愛しています』」 ワッチャプリマジ!

翠子先輩ファンの聖地

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TVアニメ『ワッチャプリマジ!』第46話 先行場面カット・あらすじ公開! | アニメイトタイムズ
【アニメイトタイムズ】2021年10月3日(日)から、テレビ東京系6局ネットにて好評放送中のTVアニメ『ワッチャプリマジ!』(以下、本作)。2022年9月4日(日)放送の第46話「貴女に捧げる…『愛しています』」より、先行場面カット・あらす...

場面カットはアニメイトタイムズの記事をご参照ください

本物の翠子先輩

ウンディーネ先生の魔法により、ここにきてまさかの翠子先輩(本物)が登場。「もう心に澱みはありません」と言うあまねだが、翠子先輩を前にしてもそう言い切れるのか。これはウンディーネ先生の最終試験と言ったところなのだろう。

そして実際のところだが、翠子先輩の登場以降、あまねの様子は明らかにおかしくなっていた。翠子先輩の一挙手一投足が気になって仕方がないようで、ときに拗ねたような表情をするなど普段のクールなあまねとは程遠い。「澱みはありません」とは一体何だったのか。次第にそんな感情が表にも出てきてしまい、翠子先輩との間にもぎこちない空気が流れてしまう。

ただこれまでと違うのは、あまねはそんな自身の感情を客観視しているところである。「ウンディーネ先生はこの澱みを振り切ってほしいのだと思います」と語る表情は不思議と爽やかだ。このあたりは第32話での経験が生きていると感じる。あまねはこうした心の悩みは自分にとっては当たり前のこととして考えられるようになっているのだろう。

一方の翠子先輩はあまねとひな先輩が離席したことにより、まつり・れもん・みるきと異色の女子トークを繰り広げていた。翠子先輩はまつりの「ワチャワチャ」という言葉に共感したり、れもんのオタクトークにも耳を傾けたりと、意外にも純粋でおおらかな人のようだ。みるきも言っていたように翠子先輩に好印象を抱いていた人は少ないと思うが、それはあまねというフィルターを通して彼女を見てきたからなのだろう。

そんな翠子先輩だが、彼女もあまねと同じ悩みを抱えていたようだ。「好きな人に好きっていうの怖いですもんね」というみるきの言葉が核心を突いている。あまねも翠子先輩も互いを大切な存在(もしくはそれ以上)だと認識している。その想いが拒絶されることを想像するのは怖い。だからこそ真正面から向き合うことを恐れてしまう。ふたりともがそのジレンマに苦しめられているあたり似た者同士とも言えるのかもしれない。

二人だけの空間

そんななか、翠子先輩が舞踏会を開くという知らせがあまねの元に届く。ただ一般的な舞踏会とは違い、そこで踊るのはあまねと翠子先輩の二人だけ。これは文字通り、あまねと翠子先輩が向き合うために用意された時間だった。出会いから今までの思い出を語らう二人。そして最後にあまねは翠子先輩に「ありがとう」とこれまでの感謝の気持ちを伝える。それは同時に翠子先輩との決別をも意味していた。

本当の気持ちを明かさないまま過ごす時間は、ある意味では居心地の良いものだったはずだ。進展こそしないものの、変化する不安もない。ただあまねと翠子先輩は互いの関係性をそこから脱却させることを選んだ。この舞踏会はあまねにとっては翠子先輩に依存してきた自分との決別でもある。ただこのことはあまねにとっても、翠子先輩にとっても、未来へとより力強く踏み出すためのきっかけとなるのだろう。

あまねの心を揺らす最大の要因が翠子先輩だったわけだが、そこと折り合いをつけた今、あまねは限りなく完璧に近いプリマジスタとなったのではないだろうか。堂々のステージを見せつけ、ヘブンズ化も見事に成功した。プレッシャーのかかる場面ではあったが、今回の描写を見るにあまねはそこについては特に気負いは無かった様子。

ライブ後に翠子先輩が言った「見つめ合う必要はないの。二人が同じ方向、同じ高みを見つめれば、きっとリフトは成功するわ」という言葉はもちろんあまねとひな先輩に向けられたものではあるが、同時に自身とあまねの関係性についての示唆もあるのではないだろうか。今は違う方向へと歩みだした二人ではあるが、高みを目指して進むなかで再び互いが交わる。翠子先輩は演出家として、あまねはプリマジスタとして歩むわけだが、二人の道が交差する日もそれほど遠くはないのかもしれない。

灼熱ドリーマー

その裏で、あうるが構築した「ユーフォリアシステム」を中心としたストーリーも展開されていった。主役は道人と阿智彦である。

意外だったのは阿智彦が自身を犯した罪を一身に背負おうとしていた点だ。正直なところまだ何かを企んでいるかと思っていたのだが、やはり今回の一件は彼にとってもかなりのダメージだった様子。「俺は大切なものを傷つけ、破滅への原因を作った張本人だ」という言葉からもわかるように、ジェニファーを想う気持ちにも一応は偽りは無かったようだ。そんな阿智彦に何かを言いかけようとする道人だったが、阿智彦の罪の意識は強く聞く耳を持とうとしない。

阿智彦をフェスリダに差し出せば、レッドサファイアは手に入るのかもしれない。ただ本当にそれでいいのだろうか。道人はそのことを悩んでいたが、そんな状況を変えたのがあうるの「あなたは父と話すのを恐れているように見える」という言葉だった。「必要なのは話すこと」というあうるの考え方は橙真と祈瑠のやり取りを見てきたからこそのものだろう。互いに向き合うことの重要性という点ではあまねと翠子先輩の関係にもリンクしている。

道人の謝罪と「一緒にプリマジをしよう」の言葉で考えを改めた阿智彦は、ライブ後にグランドフェスの開催を高らかに宣言。その言葉に湧く観客たち。やはりこういう役割をやらせたら阿智彦の右に出る者はいない。虚構でしかなかった「灼熱ドリーマー」が今ここに誕生したと感じる。もちろんここに至ることができたのは祈瑠の活躍も大きいだろう。これまでの不遇を知っているだけに、祈瑠の男泣きには少し感動してしまった。

またこの阿智彦の言葉に感銘を受けたのか、フェスリダ学園長もこれまでの非を認め、すんなりとレッドサファイアを提供してくれた。和解するのは結構なことだが、阿智彦もフェスリダももう少しこじれるかと思っていたので驚いている部分もある。今回で一気に味方が増えたため、今後はジェニファー=アポローンの解放に集中していく展開になるのだろう。

次回、第47話「マジか!間近に迫るフェス!」

人間界と魔法界が一致団結し、決戦も間近に。主人公の影が最近薄い気がするが大丈夫なのだろうか。

街中だけでなく、SNSの話題もすっかりユーフォリアレビュー一色。自分の野望が間違っていたと受け入れ、若い世代の為に、と動き回る阿智彦。あうるのプリマジを見た事、そして祈瑠の言葉で自身の過ちに気付いたのだと、阿智彦は祈瑠に感謝の言葉を伝える。あうるによる、プリマジスタたちをユーフォリアステージに運ぶシステムの開発も順調に進むなか、ひな、あまね、みるき、れもんはジェニファーを救う決意を新たにする。

エピソード ワッチャプリマジ!|テレビ東京アニメ公式

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