【感想記】プリティーオールフレンズセレクション #13「友達ってなんだろう?」

プリティーオールフレンズセレクション

DMFは記憶に残っている回が少ないのだが、今回はそんな数少ない回の内のひとつがセレクションとして選ばれた。複雑かつ繊細な心理描写が心に響いたのを覚えている。

友達からの脱却

今回は『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』 第46話「センター争奪!ライバルは友達?」からの放送。

例によって作中で何が起きているか不明なのであらすじを見てみよう。

親友対決となったスカイハイシンフォニア決勝戦は、みあとヘインがデュエットでショーを行いながら、それぞれのファンコール数を競うことになった。しかし、2人は一緒に練習しながらも互いに遠慮し合い、一見楽しげでありながらどこかぎこちない。心配したPrizmmy☆とPURETTYのメンバーは、今だけでも友達であることを忘れ、勝負に徹して別々に練習するべきだと提案する。1度は拒否する2人だったが、仲間たちの言葉に思うところがあったヘインは、やはり1人で練習しようと決心。みあもそれを受け入れて個別練習を始めるのだが、このことが2人の関係に深い溝を作ってしまうのだった。

テレビ東京・あにてれ プリティーリズム・ディアマイフューチャー

この「親友対決」で決めようとしているものは世界最大のプリズムショーである「グレイトフルシンフォニア」のセンターの座である。長年の親友である二人だが、やはりそれだけの舞台をかけた戦いであるために普段の関係性を維持できなくなってしまった。勝負を優先すればそれは友情にヒビが入ることになり、友情を優先すれば勝負を捨てることになる。その狭間にふたりともが苦しんでいるのである。

ついには勝負のために互いが友達であることを辞めることになってしまった。黄昏時の街を背景に涙を浮かべながら互いに背を向けて歩きだすこのシーンを見て、視聴当時は強い衝撃を受けたことを覚えている。それまでは色物臭の強さが目立っていたDMFで、こうまで複雑かつ繊細な心理描写が描かれるとは夢にも思っていなかったからだ。ここには「そもそも友情とは何なのか」という根本的な問があるようにすら思えるのである。

また悩みに悩んだ結果として、最終的にはふたりが出会った小学校のときに既に答えが出ていたというのも味がある展開だ。タイムカプセルの内容から察するに、その頃からすでにふたりは自分がトップに立つという確固たる夢を持ちつつも、互いの勝利を応援しているという理想的な関係となっていたことがわかる。またそこに今のふたりが立ち戻るまでのプロセスが違うことも面白い。ヘインはソミンに言われたように「責任」から、みあは仲間からの「期待」にこたえるということが主な理由になっている。違うルートでありながらも同じ結論に至るというのは、やはりこの二人は似たもの同士であり、深い絆で結ばれていることが見て取れるのである。

今回を視聴して思い出したのは『キラッとプリ☆チャン』第110話で赤城あんなが言っていた「認めあっているからこそ競い合える」という言葉である。互いの力量を真に評価できるほどの絆があるからこそ、競い合った後の結果を問わずに認め合うことができる。そういう意味ではみあとヘインはお互いが大切すぎるからこそ逆に遠ざかっている部分がまだ残っていたのだろう。今回はみあとヘインが親友という枠を超えてより高尚な「ライバル」という関係性に昇華した回だと言えるのかもしれない。もしくはそれ以上だろうか。

DMFはしっかりと見ればこういった趣深い回もたくさんあるということを理解してもらいたいと思う。むしろ尖っている部分が多いからこそ大人がストレートに楽しみやすい部分が多い気はする。

次回、#14「秘めた決意」

そろそろプリリズからは選ばれなさそうな感じはする。個人的にはプリ☆チャンの三期あたりが怪しいと思っている。

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