【感想記】アイドルランドプリパラ #07「どーでもよくない、ノンシュガー」

アイドルランドプリパラ

襲い来る黒歴史

プリパラ内では急激にイガイガ虫が増え、ちょっとした騒動となっていた。騒ぎを収めるためにひさしぶりにプリパラポリスが出動したのは嬉しい限りだが、それに付随してあじみ先生も登場してしまい広場はイガイガ虫以上の地獄絵図と化してしまった。まず退治すべきはあじみ先生なのかもしれない。

その原因の一端を担っているあまりちゃんだが、そのことをすぐにらぁら達に打ち明けたまでは偉かったものの、その罪の重さに耐えきれずにプリパラから逃げ出してしまう。らぁら達としてはあまりちゃんを責めるという発想すら浮かんでいない様子だったが、被害妄想の激しいあまりちゃんとしては決してそうは思えないのだろう。

事の発端を生み出した中二病時代をあまりちゃんが呪っている頃、マリオはまたしても消滅の危機に瀕していた。「俺がこの世界に君臨すれば忘れようがねえからなあ」というマリオの台詞から、やはりあまりちゃんが過去を消したいと思えば思うほど、マリオの存在が危ぶまれるのだろう。

マリオは今作におけるヴィランには違いないが、段々と愛嬌のある性格が強調されてきているし、その行動原理も判明した今となっては彼が救われるような展開になることを個人的には願っている。ファルルやガァルルのように、プリパラだからこそ見いだせるマリオの存在価値を描き出してほしいところだ。

ぶつかり合うのがノンシュガー

プリパラとの別れを覚悟したあまりちゃんだったが、“わさマヨを落としてきた”というしょうもない理由で早々にプリパラへと復帰する。しかし運が悪いことにペッパーに捕獲されてしまい、その流れでノンシュガーの3人に事情を説明することになった。小学生に慰められる高校生という絵面がなんとも痛ましい。

ノンシュガーは夕方にライブを控えており、そこで披露するメイキングドラマを作っている最中だったようだ。構想は決まっていて、ウサチャが言うには「あとは三人の気持ちが合わさればパーフェクト」とのこと。ただこの三人が大人しくまとまるわけもなく、チンパーティの開始を皮切りにペッパーとちりが暴れ出し、なぜかあじみ先生も襲来したことで場は収集のつかないことになってしまった。「カオスなところにカオスきたー!」というあまりちゃんの台詞が言い得て妙だ。

しかしのんはこの場から頑なに逃げようとしない。それは今回のライブにはイガイガ虫に苛まれているプリパラを元気づけ、ゆいを助けるという強い想いがあったからだった。ノンシュガーは今となってはパラ宿のプリパラを背負うアイドルチームである。そんな彼女たちなりにトラブル続きの今のプリパラに対しては色々と思うところがあったのだろう。のんの必死の訴え(物理)もあってちりとペッパーも当初の目的を思い出し、無事に気持ちをひとつにすることができたようだ。こうしてぶつかり合っては結束するというのがノンシュガーのデフォルトだというのが恐ろしい。三人が逃げずに互いに向き合う姿勢は、今のあまりちゃんの心に強く響いたようだ。

とはいえメイキングドラマ制作は無に帰してしまい、落ち込むノンシュガーの三人だったが、あまりちゃんの言葉が今度は彼女たちを勇気づけたようだ。かなりしどろもどろではあったが、要約すると逃げずにぶつかり合いながらも力を合わせていく三人の絆に感動したから、ノンシュガーはそのままでいいのではないかということをあまりちゃんは言いたかったらしい。振り返ってみると、あまりちゃんはプリパラに憧れていた時期があるからなのか、拙いながらもファン目線から的を射た意見を言うことが多い。そんなあまりちゃんの言葉だからこそノンシュガーも聞き入れたのだと思うし、らぁらやゆいが期待を寄せるのも彼女のそういった性質にあるのかもしれない。

甘くないメイキングドラマ

吹っ切れた表情でステージへと向かうノンシュガー。そのまま待望の新曲? 披露となった。曲名は「スパイシー♪ホット*ケーキ!!!」。CGライブの一部は2020年に先行公開されていたし、単独アルバムの「Tasting NonSugar」にすでに収録されているし、さらに言えば声優ライブで幾度も見聞きした楽曲なので、もはや新曲と表現すべきかどうか怪しい。

気になるメイキングドラマの内容だが、動物に乗った三人がスイーツをぶっ飛ばすというまさに甘くない仕上がりとなっていた。今回のメイキングドラマ制作で起きた出来事を再現しつつも、それがそのままノンシュガーらしさを表現していて見事だ。

ライブ後、もはや当然のようにキラキラをかき消してしまうマリオ。居心地悪そうなあまりちゃんだったが、その後、逃げずにらぁら達と向き合ったことで被害妄想も解消され、あまりちゃんはプリパラ引退を回避することができた。アイドルランドから帰った後、あまりちゃんは黒歴史グッズをもう少し取っておくことに決めたわけだが、そうさせたのは紛れもなくプリパラにおける「み~んなトモダチ!み~んなアイドル!」の精神である。つまりプリパラという場所はあまりちゃんに過去と向き合う勇気を与え、それは結果的にマリオの存在を永らえさせることに繋がる。マリオがそのことに気がつくかどうかが今後の焦点となっていくのかもしれない。

再び例の黒歴史ノートを紐解くあまりちゃん。切り離されたノートの一部分には「弱点」の文字があった。「そういえばあいつになにか弱点を設定していたような……」いったいどういった弱点なのか、それはマリオを消滅させてしまうほどのものなのか、それとも語尾嫌い程度のものなのか。様々な憶測を抱かせながら、第7話は幕を閉じた。

次回、#08「しゅうかを収穫するがいや!」

例のダイジェスト映像も底をつき、いよいよアニメは未体験ゾーンへ突入することになった。ウィンターライブでまた情報公開があるかもしれないので期待しよう。

【2023/11/23追記】第8話のサブタイトルが『しゅうかを収穫するがいや!』であることが公式よりアナウンスされた。待望のしゅうか回ということで期待が膨らむ。しゅうかの復活まで描かれるのか。エヴァーゴールドのライブはあるのか。楽しみに待とう。

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