【感想記】アイドルランドプリパラ #03「サブタイトル?どーでもいいぜ!」

【感想記】アイドルランドプリパラ #03「サブタイトル?どーでもいいぜ!」 アイドルランドプリパラ

#02の感想記事の日付を見るとちょうど一年前の投稿だった。その間にアプリ版は二度の延期を経たし、『ワッチャプリマジ!』の最終回と共にTVシリーズの制作は一旦休止となった。「プリティシリーズ」にとって去年は波乱の一年だったと言えるだろう。その一方で今年に入ってからはその勢いを再び取り戻しているように感じている。ノンシュガーの単独イベント開催が発表され、『キラッとプリ☆チャン』の五周年プロジェクトも始動した。2023年は「プリティシリーズ」にとって新たな幕開けの年となってほしい。そして『アイドルタイムプリパラ』はその一翼を担う作品であってもらいたい。つまり何が言いたいかというと、もうすこし配信のペースを上げてくれると嬉しい。

本編映像

ダークアイドル「マリオ」降臨

さかのぼれば『アイドルランドプリパラ』の配信が決定したのが2020年12月のことであり、その半年後の2021年5月に新アイドルとして「マリオ(CV:橘龍丸)」のティザービジュアルが公開された。アニメでこのキャラクターが見られる日も近い……と胸を膨らませているうちに、気がつけば二年経っていた。

ティザービジュアル第3弾のもう一人のアイドルを公開!
その正体は、新アイドル「マリオ」!
ティザービジュアルのキャッチコピーは「お前ら全員、ロックだぁ!!」。
男プリに突如現れた魔王を名乗るダークアイドル。その正体は誰も知りません。

ティザービジュアル第3弾 新アイドル「マリオ」公開!|NEWS|アイドルランドプリパラ

男プリの上空に突如として出現したダークアイドル・マリオ。虚空を当たり前のように歩いて地上に降り立つその姿はいかにも強キャラの風格があるが、よく考えればアイドルランドは入場方法がそもそも空からの丸腰ダイブだったことを思い出す。女の子も男の子も空から降下して入場し、そして閉園時間になれば召されるかのように昇天していく。つまり空を歩くアイドルがいても別に不思議なことではない。

めがボーイはマリオのことを「ボーカルドール」と見なしていたが、本人はそれを肯定するでも否定するでもなく「どーでもいいぜ」と言うばかり。それがマリオの口癖なわけだが、それだけに留まらず彼はギターをマシンガンに変形させ、そこから黒いアイドルキーを射出することで相手を無気力──つまりすべてを「どーでもいい」と感じるようにさせる能力を持っている。そんなことをする狙いは現状では不明だが、プリパラの方向を見ながら「よく見ておけよ、この俺を」と呟くなど、一応の目的らしいものがマリオの中には存在する様子だ。

WITHとDARK NIGHTMAREの関係

場面は変わり、プリパラでは三分だけ動けるようになったミニゆいとショウゴが仲良く喧嘩を繰り広げていた。あまり描写されてこなかった気がするが、アイドルランドで囚われの身になって以降、現実世界のゆいは「夢を忘れて魂が抜けた」ような状態になってしまっているらしい。ユメユメ言わなくなったゆいを想像すると寂しさを感じるが、実の兄としてはそれ以上の辛さがあるだろう。そのため三分だけでも元のゆいと話せて楽しげなショウゴではあるが、一方で前回の会心のライブですら完全な状態に戻せなかったことに不安も抱いている様子だ。

そんなWITHの元に現れたのはヤミプリNo.1アイドルユニット「DARK NIGHTMARE(以下「ダクメア」)」のシンヤ(CV:河合健太郎)ウシミツ(CV:鵜澤正太郎)だった。彼らは2020年12月に開催された舞台「WITH by IdolTimePripara」で初登場したチームであり、アニメにも満を持して登場となった。実写ライブで幾度も彼らのステージを見てきた身としてはアニメキャラとして喋っている二人に感慨深さを感じてしまう。できることなら一刻もはやくCGも用意してあげてほしい。

ダクメアはWITHを目の敵にしているのだが、それは過去にコヨイがダクメアの一員だったことが関係しているようだ。本編ではその設定が紙芝居チックでかなり駆け足に説明されており違和感があったのだが、そのあたりのストーリーは上記の舞台で展開されていたという事情があるようだ。ダクメアの歩みを時系列でまとめている記事なども調べればあるが、とりあえずはWITHとDARK NIGHTMAREの両チームはライバル関係にある、ということだけ理解しておけば問題ないだろう。

ヤミプリが与える影響

公式によれば「ヤミプリは荒くれ者やはみ出し者が集まる場所」ということで治安の悪さを想像するが、実際の光景は想像以上のものだった。地下深くに存在するステージには金網が張られ、ライブ中にはそこに向かって瓶やヤカンなどが観客から投げられまくる。ただステージに立つダクメアの二人はまったく気にする様子を見せないので、これがヤミプリ流の盛り上がり方ということなのだろう。

この直前ではゆいを元に戻すことに対する焦りや不安が目に見えて現れていたショウゴだったが、ダクメアの圧巻のライブを前にして沸き立つ興奮を隠せない。ダクメアからの宣戦布告にも「俺らがトップだってわからせるしかねえだろ!」と応戦するなど熱い気持ちを取り戻した様子だ。ショウゴは前回の会心のライブでもゆいを完全に元に戻せなかったことを疑問に思っていたが、もしかすると妹を助けたいという気持ちが強すぎて空回りしている部分もあったのかもしれない。

『アイドルタイムプリパラ』ではプリパラと男プリの相互作用が特徴のひとつだったが、今作ではそこにヤミプリが加わり早くもWITHに良い影響を与えている。新キャラを単に増やすわけではなく、それらが既存のキャラクターや世界観に確実に影響を与えていくのはこの作品の丁寧な部分だし、またそれがシリーズに共通する魅力だとも言えるだろう。

怒涛の新曲ラッシュ

ダクメアの宣戦布告へのアンサーとしてWITHは男プリでライブを行う。予告でも示唆されていたとおり新曲が披露されることとなった。曲名は「好きにしてI-I-Z-Eいいぜ」。新曲とはいったものの「ALWAYS WITH YOU!!!」の2曲目に収録されている楽曲であり、またライブで幾度も披露されていることもあり曲自体に新鮮味はあまりない。最大の目玉はやはり新規CGとしてこの曲がアニメで披露されたことだろう。『アイドリタイムプリパラ』で「Giraギャラティック・タイトロープ」がCGと共に披露されたのは2017年11月のことであり、そこから約5年経過していることになる。

やはりWITHのCGを見るといつもそのスタイルの良さに驚かされる。その抜群のスタイルから繰り出されるダンスがこの楽曲の艶っぽさをより高めている印象だ。欲を言えば次は新メイキングドラマにも期待したい。

熱のこもったライブなだけに集まるキラキラの量にも期待が膨らむ。しかしプリパラ上空に届いたのもつかの間に、キラキラは跡形もなく消えてしまう。その原因はマリオがキラキラに向けて黒いアイドルキーを乱射したからだった。マリオの能力は前述のとおりだが、より正確に言うならそれは「キラキラを消すことができる能力」なのだろう。キラキラそのものに撃てばそれを消すことができるし、人に向ければ心からキラキラを奪い去ることもできる。キラキラを増やすことが何よりも大事なアイドルランドにおいてこれほど厄介な存在はいないだろう。

ステージに降り立ったマリオはキラキラを消した理由を「鬱陶しいから」と言い放ち、さらにWITHのライブを「クソぬるいライブ」と吐き捨てるなど、知ってはいたが傲慢にもほどがある性格である。当然ながら観客からは大顰蹙を買うがそれを意に介する様子はまったくない。「俺はしたいときにしたいことをする……ルールなんざ、どーでもいいぜ!」その信念を有言実行するかのように、マリオの衝撃のライブの幕は上がった。

この曲が(一応は)女児向けアニメという枠のなかで披露されている現実に驚かずにはいられない。ハードなメロディー、ハスキーボイスから繰り出されるシャウト、観客をあざ笑うかのように闊歩するマリオの姿などからは従来の『プリパラ』にあった可愛らしさやファンシーさなどは微塵も見られない。また指先の繊細な動きなどを見るとやはりCGも過去と比較して格段にレベルアップしている印象を受ける。ステージセットの「W」が「M」に変わる瞬間などは格好よくて何度も見てしまう。

メイキングドラマの後にマリオが繰り出した「サイリウムトルネード」はあまりちゃんの「サイリウムハリケーン」と酷似しているが、それが与える影響はまったくの正反対だ。あまりちゃんの場合は吹っ飛ばされた観客も「いい汗かいたー」と爽快感に浸っていたが、マリオの場合は逆に観客から精気を奪ってしまう。そんな様子をステージ上から見下ろしてマリオは満足気に微笑む。彼の破壊衝動の根源はいったいどこにあるのだろうか。イガイガ虫との関係が示唆されていたが、詳細は次回へ持ち越しとなった。

今回は主に男プリを舞台として、シンヤとウシミツ、そしてマリオという新キャラクターにスポットを当ててストーリーが展開された。男プリは『アイドルタイムプリパラ』から登場した後発の概念ではあるのだが、今作においてはその存在が世界観を確立するうえでの重要な役割を担っているように感じる。正統派のWITHの対極に位置するDARK NIGHTMAREの存在に加え、さらに異質な男プリアイドルであるマリオの存在は『アイドルタイムプリパラ』の可能性を今後も大きく広げていくことだろう。

次回、#04「アイドルだらけのビーチファイト!あまりもいるよ!」

濃厚な男プリ回から一転して華やかな水着回ということで風邪をひいてしまいそうだ。次回の配信まで座して待とう。

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