衝動的に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が読みたくなった。Amazonで調べてみると、宮沢賢治の全283作品を1冊にまとめた全集があった。値段は200円(さらに40ポイント還元なので実質的には160円)。根も葉もない事を言えば著作権切れの作品なので青空文庫で全て無料で読むことはできるのだけれども、こういうものは読みやすくまとめられていることに価値がある。
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この中に『銀河鉄道の夜』は角川版・岩波版・新潮版の三種類が収録されている。岩波文庫が好きなのでそちらを読もうかと思ったけれど、文章が歴史的仮名遣いのため少し読みにくい。おとなしく昔読んだであろう新潮版を読むことにした。
国語の授業を含めて宮沢賢治の作品にはそれなりに触れてきたが、やはりこの不思議な世界観には中毒性がある。冒頭の舞台となっている町はどうやら日本らしく思えるのに、登場人物の名前はジョバンニやカムパネルラなど、異国のそれである。そんな一見するとアンバランスな世界だが、読んでいるうちにそこに没入してしまう。不自然な世界を当たり前の光景のように思わせてしまうところに宮沢賢治の凄さがあるのかもしれない。
個人的に宮沢賢治の文章で最も好きなところはオノマトペが多いところだ。「ぴかぴか」とか「ぱぁっ」みたいな擬音が、その情景を脳内にまざまざと浮かびあがらせる。オノマトペを有効に使うには世界に対する冷静な視点が求められる。これも宮沢賢治の優れた才能のひとつなのだろう。
まだ『銀河鉄道の夜』を全て読み終えたわけではないが、ひきつづき他の作品も読んでみようと思う。『やまなし』と『オツベルと象』などは教科書で読んだので懐かしむ意味を込めて目を通してみたい。
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