書評・読書感想・本の話

『女人禁制』 書評・読書感想・本の話

『女人禁制』──「差別」か「伝統」か

「女人禁制」と聞くと、大相撲の土俵を思い浮かべる人もいるかもしれない。2018年4月4日に開催された大相撲舞鶴場所で、挨拶中に倒れた市長の救命措置をしている女性看護師に対し、「女性は土俵から降りてください」という場内放送が流れたことは大きな...
「断念」から文章が生まれる『ライティングの哲学』 書評・読書感想・本の話

「断念」から文章が生まれる『ライティングの哲学』

ジャンルは違えどプロの文筆家である4人が「書けない」という悩みを分かちあい、「書く」という作業を再構築していく様を描いた本である。こういう紹介の仕方をすると堅苦しい本に思えてしまうかもしれないが、構成としては悩みを共有する「座談会その1」座...
なぜアメリカは裕福で、アフリカは貧困か『銃・病原菌・鉄』 書評・読書感想・本の話

なぜアメリカは裕福で、アフリカは貧困か『銃・病原菌・鉄』

人種差別は世界的に忌み嫌われている思想だが、それでも無意識的に人種差別的な考え方をしている人は多い。例えば多くのアフリカ人が貧困にあえいでいる理由を考えるとき、それを「いまだに原始的な遺伝子を持った集団だからなのだろう」というような結論で片...
『陰翳礼讃』谷崎潤一郎著 書評・読書感想・本の話

『陰翳礼讃』谷崎潤一郎著

谷崎潤一郎に対して「ムッツリスケベの潔癖症野郎」という失礼にも程があるイメージを勝手に持っていたのだが、この本を読んで印象が変わった。『陰翳礼讃』は日本における美意識のなかに「陰翳」がいかに深く作用しているかを論じた随筆なのだが、これが題目...
栞と僕の変な趣味 書評・読書感想・本の話

栞と僕の変な趣味

文庫本を買うと紙の栞が挟まっているのはご存知だろうが、自分はそれを集めることを密かな趣味としている。中古本を買うことが多いのだが、なかには栞が挟まっていないものもある。元々はそういうときのための備えであり、あくまでも実用的な意味合いだったの...
『檸檬』梶井基次郎著 書評・読書感想・本の話

『檸檬』梶井基次郎著

『檸檬』は梶井基次郎の小説である。有名な小説だし、教科書にも載るぐらいの作品なので知っている人は多いかもしれない。ただ自分は存在すら知らず、それもなんとなく癪に障るので読んでみた。正直なところ読み終わった直後は良さを理解できなかった。作者は...
最良の漢詩入門書『唐詩選』 書評・読書感想・本の話

最良の漢詩入門書『唐詩選』

「君に勧む 更に尽くせ 一杯の酒」という文言が急に脳裏から離れなくなった。調べてみるとそれは王維の漢詩であるらしい。おそらく国語の時間にでも習ったのだろう、と懐かしく思っていると、もう少し漢詩というものに触れてみたいという思いが急に湧いてき...
人には『銀河鉄道の夜』を読みたくなる時がある 書評・読書感想・本の話

人には『銀河鉄道の夜』を読みたくなる時がある

衝動的に宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が読みたくなった。Amazonで調べてみると、宮沢賢治の全283作品を1冊にまとめた全集があった。値段は200円(さらに40ポイント還元なので実質的には160円)。根も葉もない事を言えば著作権切れの作品なの...
『インスマウスの影』読書感想 書評・読書感想・本の話

『インスマウスの影』読書感想

クトゥルフ神話でお馴染み「ラヴクラフト」の全集がKindleセールの対象になっていたから買ってみた。正直なことを言うとクトゥルフ神話は某アニメ以外の知識はほとんど無いのだが、1巻に収録されている『インスマウスの影』は前々から興味があった。実...
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