【感想記】プリパラ 第139話「愛フレンド友」

【感想記】プリパラ 第139話「愛フレンド友」 プリパラ

トモチケは世界を救う

TVアニメ『プリパラ』第139話より先行場面カット到着 | アニメイトタイムズ
【アニメイトタイムズ】 現在、3rdシーズンが放送中のTVアニメ『プリパラ』より第139話「愛フレンド友」の先行場面カットが到着したので、あらすじと併せて紹介! 本作は、キッズ向けアーケードゲームと合わせて展開されてきたTVアニメ『プリティ...

場面カットはアニメイトタイムズの記事をご参照ください

避けられないカオス

女神が不在となったことで天空のステージが落下を始めてしまった。それだけにとどまらず、その影響は世界中のプリパラに加え、現実世界のパラ宿周辺まで波及しているとのこと。この世界においてプリパラの存在がいかに大きいかを窺い知ることができる。

災害級の事態にみんながパニックに陥る中、立ち上がったのが神アイドルとなったそらみスマイルだった。システムもまともに機能していないこの状況下では、もはや神アイドルの歌が起こす奇跡に頼るしかない。まさに困ったときの神頼みだ。

しかし崩落真っ只中のステージではライブを開始することがすでに難しい。会場が傾いたり、瓦礫が降ってきたりする状況下で観客にも危険が及ぶなか、チーム光合成が人類を超越した力を発揮したり、宇宙から帰還したななみちゃんの活躍でピンクアクトレスが再結成されるなど、プリパラらしいご都合主義により迫る危機をなんとな乗り越えていった。この終盤の修羅場でも容赦なくカオスをぶちこんでくるあたりは流石としか言いようがない。

神アイドル + トモダチ = 最強

らぁらの胸に去来していたのは、たくさんの夢やトモダチをくれた「プリパラ」という場所への感謝だった。人前で歌うことすら恥じらっていた女の子が気がつけば最高峰の神アイドルとなり、見渡せば多くのトモダチに囲まれている。それはプリパラという場所があったからこそ実現したことだ。プリパラの消失を認めることは決してできない。みれぃやそふぃ、世界中のみんなも同じ気持ちだろう。

ひびきのハッキング技術により一時的ではあるが天井にバリアが張られ、そして「さきのばし」を後回しにする決意をしためが兄ぃによりシステムが再び稼働を始めた。舞台は整い、いよいよ運命のライブが始まる。

曲は前回と同様に『I FRIEND YOU!』。しかし前回と異なるのは彼女たちは今や神アイドルであるということだ。それだけに奇跡への期待が高まるが、残酷にも状況が好転する様子はない。無情にも時間だけが過ぎていくなか、限界を迎えたバリアが決壊したことにより稲妻が会場を襲い、ライブが中断されてしまった。この極限状態においてはライブの中断は一瞬たりとも許されないことであり、それは同時にプリパラの終焉へと繋がってしまう。

その窮地を救ったのはドレッシングパフェを始めとするこれまでのライバルたちの歌声だった。そして彼らの歌をもって「組曲フォーエバー☆フレンズ」は『メモリーズ・メドレー』へと突入する。この曲は全体の中では「インターリュード(間奏)」という位置づけとなっている。間奏とはいうものの内容としてはこれ以上ないぐらいに豪華なものであり、それは神アイドルの歌の合間を埋めるにも十分すぎるものだった。

神アイドルの歌でさえ止められなかったプリパラの崩壊が、ふと気がつけば穏やかなものへと変わりはじめている。それはこの窮地を救うには神アイドルの力だけではなく「トモダチの力」も存在しなければならないということを意味していた。この現象には「神アイドルは単なる実力だけではなく、たくさんの人との連綿とした繋がりの中で生まれる」というメッセージが込められているように思う。このことから考えると「み~んなトモダチ!み~んなアイドル!」というテーマはそのメッセージを端的に表現した概念なのかもしれない。

神アイドルとそれを応援するトモダチの力。このふたつが揃った瞬間に「組曲フォーエバー☆フレンズ」は本当の完成を迎えたのかもしれない。再びそらみスマイルも加わり、曲は『~第三楽章~「My Friend, Dear Friend」』から『~第四楽章~「ウィー・アー・ザ・フレンズ!」』へと一気に突っ走っていく。

そのとき、はるか上空にはジュリィとジャニスの姿が戻りつつあった。しかしらぁらの表情に緩みはいっさい無い。世界中の大合唱が響き渡るなか、曲の最後を飾ったのは世界中の人々を巻き込んだ「トモチケ交換の儀式」だった。パキる音はトモダチの音である。世界中から響き渡る「パキッ!」という音は、トモダチの力へと変化してらぁらの持つタクトへと届いていく。

気がつけば天空のステージの落下は止まり、らぁらの腕の中には赤ん坊に戻ったジュルルの姿があった。色々と耐えてきたがこのシーンでいよいよ涙を堪えることができなかった。子を想う母の力は偉大だと思わせられる。

再び平穏を取り戻したプリパラ。めが兄ぃによればジュリィの罰は撤回され、ジャニスの補佐役として存在することが認められたらしい。しかしふと気がつくと、ジュリィの色がなんだか薄い。本人によれば今回の件で体質が変わってしまったとのことだが、そんな軽い感じでいいのか。

心配するらぁらをよそに、ジュリィは「前からずっとやりたいお仕事があったの。この体質はそれにぴったり♪」と言い残し、そのまま上空へと姿を消してしまった。つかの間の再会となってしまって寂しい感じもするが、不思議と一同の心の中は温かい感情に包まれていた。ジュリィ本人は去り際に「また会えるよ」「大丈夫、いつも一緒だよ」と言い残していた。今のらぁら達としてはその言葉だけで十分だし、そこに疑う余地は一切無いのだろう。思えばジュリィはいつもこんな感じで奔放だったような気もする。

「3rd season」を振り返って

次回は最終回であり、今回で第三期が一応の完結を迎えたと言ってもいいだろう。振り返ってみると三期の完成度は異常だ。「神アイドル誕生」という『プリパラ』における中核とも言えるテーマを片付けるだけでも本来なら十分なところに、らぁらをママにするというとんでもない要素をぶちこんできた。また合間のトリコロールやノンシュガーの新チーム結成に至る諸々の回なども、過程やその後の経過も含めて最高に楽しむことができた。そして神アイドル誕生からジュリィ救出へと至る壮大なシーンの数々は『プリパラ』という偉大な作品の終わりとしては完璧なものだったように思う。

再放送でありながら終わりを迎えてしまうことが非常に寂しいが、まだあと一話を残している。『プリパラ』が与えてくれたすべての感情を次回の感想へとぶつけたい。

次回、第140話「み~んなトモダチ! ず~っとトモダチ!」

神アイドルの力で平穏を取り戻したプリパラ。ほっとしたのもつかの間、ファルルが突然ロゼットの中に入ってしまう!驚くらぁらとファルルだが、それは自分を助けてくれたお礼だと、ジュリィの素敵な計らいに気が付いて・・・

テレビ東京・あにてれ プリパラ

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