【感想記】アイドルランドプリパラ #01 「アイドルあまりました!」

【感想記】アイドルランドプリパラ #01 「アイドルあまりました!」 アイドルランドプリパラ

Youtubeにて無料公開となったため、ネタバレあり版の感想も書いていきたいと思います。先行公開の際に書いた“ネタバレなし版”の感想は以下をご覧ください。

「プリパラ」は進化する──『アイドルランドプリパラ』#01 「アイドルあまりました!」 感想(ネタバレなし)
「プリパラ」は進化する──『アイドルランドプリパラ』#01 「アイドルあまりました!」 感想(ネタバレなし)
【追記:2022/03/06】Youtubeでの公開に伴い、ネタバレあり版書きました。 先行公開にて視聴しました。現状では有料でのみ視聴できるものなのでネタバレを避けつつふんわりとした感想を述べていきたいと思います。具体的な感想は一般公開さ...

本編映像

これまでとは一味違う“プリパラ”

物語は新キャラクターの香田澄あまり(CV:飯田里穂)が「今日も余ってま~す」と独白するシーンから始まる。高校デビューに失敗した彼女はやることなすことが上手くいかず、日常生活に無気力気味となっていた。そんな彼女がかつての黒歴史ノートを埋めようとするところに現れたのが、我らが主人公の真中らぁらだった。

しかし慣れ親しんだはずのらぁらの存在に誰もが少し違和感を感じることだろう。と言うのもあまりちゃんの高校では「小学生の女の子に話しかけられると勝手にアプリがインストールされる」という都市伝説が流れており、それを知っているだけにらぁらが得体の知れない存在に見えてしまうのである。

『アイドルランドプリパラ』の特徴として、#00が存在するにもかかわらず#01を先に公開する方式を取っていることがある。そのため#01だけを見ても違和感を感じるシーンが非常に多く、全体的に意味深長な雰囲気が醸し出されている。それはこれまでの『プリパラ』『アイドルタイムプリパラ』では感じられなかったものであり、Aパートの段階で視聴者は“このアニメは一味違う”と思い知らされるのである。

原点回帰のBパート

しかしそんな意味深な空気感も、プリパラ内の様子を描くBパートへ突入することで一変していく。むしろそこにはプリパラのエッセンスが詰まっていると言ってもいい。

あまりちゃんは過去に「キラッキラのアイドル」になりたいという夢を嘲笑されたことがあり、その経験が今の気弱で無気力な自分に繋がっていた。プリパラで初めてのライブに臨んだ彼女は極度の緊張により、つい同じ夢を観客の前で叫んでしまう。過去のトラウマが脳裏をよぎったが、あまりちゃんの予想に反し、耳に届いてきたのは大歓声だった。プリパラとは誰もがアイドルになることを許されている場所であり、その夢を笑う人は誰もいない。『プリパラ』第1話のみれぃのセリフに「みんなはアイドルの歌を待っているぷり」「ここでは全ての女の子にそれが許されているぷり」というものがあったが、このシーンはまさにその言葉を体現していると言える。プリパラは一歩を踏み出したい女の子に勇気を与え、受け止めてくれる場所だ。あまりちゃんのデビューに至る道筋はプリパラの原点にあるテーマを再認識させてくれたと思う。

そんなあまりちゃんのライブは色々な意味で衝撃的だった。進化したCGも見どころだが、やはり注目すべきは「サイリウムハリケーン」だろう。まさか物理的に“観客を巻き込んだライブ”をやってのけるとは思わなかった。名前のとおりに「カオス」でプリパラらしいライブだった。

キラキラを取り戻す場所

詳細は#00で明かされるが、『アイドルランドプリパラ』では女の子たちの記憶から「プリパラ」が消えた状態となっている。これはアニメの放送から7年半が経過し、筐体も稼働終了を迎えた現実世界における「プリパラ」の状況とリンクしているように思う。あまりちゃんも「あんなに好きだったのに、なんで今まで忘れてたの……?」と疑問を抱いていたが、現実世界でも同じような経験をしたことが誰でもあるはずだ。

鬱屈した学生生活を送っていたあまりちゃんではあるが、忘れていたプリパラと再び出会ったことにより彼女は心の中の「キラキラ」を取り戻していくことだろう。そんな彼女の姿を見ることは、我々が月日の流れと共に失った大切な何かを思い出すきっかけを与えてくれるかもしれない。

筐体の稼働最終日のTwitter上では終了を悲しむ声が多く寄せられていた。アプリ版についてはいまだに詳細が不明ではあるが、基本的には筐体のシステムを踏襲したものになると思われる。『アイドルランドプリパラ』のアプリおよびアニメが、かつて筐体で遊んでいた、もしくはアニメを視聴していた人々の心に輝きを灯す存在になればそれは自分としても非常に嬉しく思う。

次回、#00「アイドルランド始めちゃいました!」

次回は#01では明らかにされなかった謎を中心に感想を書こうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました