【感想記】とびだすプリパラ み~んなでめざせ!アイドル☆グランプリ

映画(プリティシリーズ)
Photo by 「プリティーシリーズ」公式

とびだすプリパラ み~んなでめざせ!アイドル☆グランプリ』は「劇場版プリパラ」の第二作目にあたる映画である。公開日の2015年10月24日は2ndシーズン開始から約半年が経過したタイミングであり、内容としてはあじみの登場で『プリパラ』にさらなる狂気が蔓延している頃合いだ。

シアターライブアニメ「とびだすプリパラ み~んなでめざせ! アイドル☆グランプリ」予告映像
劇場版『とびだすプリパラ 』より先行場面カット到着! | アニメイトタイムズ
【アニメイトタイムズ】

場面カットはアニメイトタイムズの記事をご参照ください

唯一の3D立体上映作品

本作品の最大の特徴は劇場版で唯一の3D映画ということである。残念ながらブルーレイでは3D非対応となっているので今となっては劇場での立体感を体感することはできないが、「360度の立体世界を体験」できるスペシャル映像が公開されているのでこれを視聴すればその感覚を想像することはできる。なお本映像はジャイロセンサー対応に加えてPCだと画質の粗さが目立つため、スマホでの視聴を推奨する。

引用元:スマホ&PCで360°の立体世界を体験!目の前でライブが楽しめる!「とびだすプリパラ 360 ぐるぐるムービー」大公開!!

上記のライブは映画の終盤に登場するが、虹色に輝くサイリウムに囲まれた円形のステージで踊るらぁら達の姿は臨場感たっぷりだ。それに加えて2ndシーズンといえば「ドリームシアターライブ」というライブ形態が新たに登場し、それは全編がメイキングドラマのような演出となっているのが特徴だ。ライブ後半では「エアリーチェンジ」によってステージ上空をアイドル達が縦横無尽に飛び回るなど、3D映画という上映方式がテレビ版で新たに登場した概念と最高にマッチしていると言える。

実はレアな映画

もうひとつの特徴として、この映画はかつては視聴するのが難しいレアな映画だったことを挙げておきたい。ほとんどの劇場版は上映から半年もすればソフト化されるなかで、この作品に限ってはそれが実現したのは上映から三年以上が経過してからであり、それも単体ではなく『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン~きらきらメモリアルライブ~』の特典ディスクとしてようやくである。ネット配信についても「レッツゴー☆プリパリ」「キラリン☆スターライブ!」とは異なり現在まで行われていないため、上映終了から三年間はこの映画を見る方法はいっさい存在しなかったことになる。

おそらくは3D上映という方式が何かしらの妨げになっていたのだとは思うが、詳細は定かではない。ただ個人的にはこの映画がそのような状況になっているのを知った際は視聴を諦めかけたので、特典とはいえ視聴する方法がある現在に感謝したいところだ。

『プリパラ』の勢いを感じる作品

タイトルが「み~んなでめざせ!アイドル☆グランプリ」となっているように、今作品はプリパラTVで開催されているアイドルグランプリという企画が展開のメインとなっている。ただ本作も「み~んなあつまれ!プリズム☆ツアーズ」と同様に骨子となるストーリーはないに等しく、ライブシーン集の域は出ないというのが実際のところだ。やはり本来は3D映像として劇場で楽しむことや、「おうえん上映」を介して盛り上がることを前提とした作品であり、自宅で視聴するとどうしても味気なく感じてしまうのは仕方がないことのように思う(ソフト化が長引いたのもそのあたりの事情があるのかもしれない)。

とはいえそれを理解したうえで視聴すれば輝く部分が存在するのも確かだ。ライブの合間にはサブステージとして「番組コーナー」が設けられており、そこでは本編ではなかなか見られないキャラクター間の絡みが見られたりする(らぁら&シオン、ドロシー&ふわり等)。内容自体も良い意味で実にバカバカしいのでライブの間を繋ぐ企画としてはちょうどいい温度感で眺めることができる。

後続の劇場版作品が神がかりすぎて見劣りするのは正直なところだが、「おうえん上映」という新たな試みに加えて「3D上映」にまで進出した当時の『プリパラ』の勢いに思いを馳せられる映画だと個人的には思う。少し違う角度から『プリパラ』を楽しむための入り口として視聴すると一興この上ない作品になるだろう。

※今回紹介の映画は下記リンク先作品の特典ディスクとして収録

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