このウイスキーを初めて飲んだのが約10年前。「さっさと酔える」という理由でウイスキーを飲んでいた自分だが、その美味しさや奥深さを初めて教えてくれたのがこの『ワイルドターキー 8年』だったと記憶している。ちなみに『グラップラー刃牙』の花山薫が愛飲していることでも有名(というか自分はそこから知った)。
「ワイルドターキー」の由来
「ワイルドターキー」という特徴的なブランド名の由来は、1940年の出来事にさかのぼる。当時のオーナーであるトーマス・マッカーシーは、趣味の七面鳥の狩りに出かける際、自社で扱っていたバーボンを友人に振る舞っていた。

このバーボンは非常に好評で、いつしか仲間のひとりがこのバーボンを七面鳥にちなんで「ワイルドターキー」と呼び始めたそうだ。後に正式なブランド名として採用され、象徴として今もラベルにその姿を残し続けている。
試飲感想
香り・味わい・余韻の三要素で評価。
総合評価
- 香り
- 極上。遠くからはバニラのような甘さ、近づくと濃厚なカカオのような香り。飲んだ際にはハーブのような芳香もわずかに感じられる。
香りはこのウイスキーの最大の魅力だ。ずっと嗅いでいたい。
- 味わい
- 一般的なウイスキーをさらに凝縮したような濃厚かつスパイシーな味わい。これは8年という長期熟成と、「アリゲーターチャー」と呼ばれる段階まで樽を強く焦がすことによって生まれているようだ。
パワフルで重厚なイメージが魅力的な一方、加水して飲むと果実のような甘みも感じられる。ウイスキーの旨味が詰まっていると言っていいだろう。
- 余韻
- 高カカオチョコレートのようなビターな後味が長く残る。
正直なところ、5点満点を付けてもいい。ただこの0.5点はこれから出会うウイスキーのために残しておきたい余白である。思い出補正もあるかと思っていたが、やはりワイルドターキーは紛れもなく“美味いウイスキー”だと思い知らされた。
バーボンウイスキーといえば独特な風味を持つことで知られている。そのなかでも『ワイルドターキー 8年』は50度という高い度数であるため、より取っつきにくい印象を抱く人もいるかもしれない。
ただ個人的にはこれほどウイスキーの美味しさをストレートに教えてくれる一本はないと考える。入門としてもおすすめだし、当然ながら晩酌の最良の友にもなるだろう。





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