【ライブレポ】SoLaMi♡SMILEスペシャルイベント「Sky! smiLe! Music!」by プリパラ」【感想記】

CD・ライブ

2024年8月18日(日)に立川ステージガーデンで開催されたライブイベント「Sky! smiLe! Music!」by プリパラ」に配信ライブで参加した。このイベントはプリパラファン待望のそらみスマイルの初単独ライブイベントとなっている。同作品の中ではノンシュガーやドレッシングパフェが先に単独ライブを実現しているだけに、今回のライブを熱望している人は自分を含めて多かった印象だ。

会場が暗転し、モニターに映し出されたのはアニメ第135話のワンシーン。トリコロールの圧巻のライブを目の当たりにし、圧倒的不利という状況のなかステージへと向かうそらみスマイルの姿だ。沈黙を破ったのは、らぁらの「ねえ、みれぃ、覚えてる?」という問いかけである。そこから3人はこれまで歩んできた奇跡と培ってきた絆を思い出し、

「この3人でライブをできることが最高の幸せぷり」

というみれぃのセリフへと繋がっていく。

次の瞬間、スポットライトに映し出されたのは客席の中から登場したみれぃ(芹澤優)の姿。続けてそふぃ(久保田未夢)、らぁら(茜屋日海夏)も姿を現す。アニメを再現した演出に客席にはすでに感極まる人もいたようだ。

そらみスマイルが歩んだ10年が詰まったライブ

披露された一曲目は「Pretty Prism Paradise!!」。そらみスマイルが結成されて最初に歌われた曲だ。その回をニコニコ動画で見ていたのが10年前。当時の自分にとって『プリパラ』は数あるアニメの中のひとつだった。まさかその10年後に同じ曲でアホみたいに感動しているとは夢にも思わないだろう。

次の「HAPPYぱLUCKY」を終えるとソロ曲へ突入。昼の部では「ぷりっとぱ~ふぇくと」と「太陽のflare sherbet」が披露された。ステージに降りて客席の合間を練り歩く演出が今回もなされたが、さすがに外側も中身もアイドルなだけあって2人のファンサが実に見事だった。特にライブでは貴重なお子さんには大サービスしているのは自分としても喜ばしい。

続けてらぁらのソロ曲が披露されたが、夜公演では「レッツゴー☆プリパリ」のオープニング曲「あなたがプリパラに来るのを、あたし待ってる」が初披露。もともとソロ曲が少ないらぁらだったが、その手があったかという感じだ。おそらくは単独ライブでなければ披露できない曲だろう。

再び3人が揃い「ドリームパレード」が披露されると、突如として始まったのは「朗読劇」。過去さまざまなカオスを生み出す温床だっただけに身構えたが、内容はそらみスマイルの楽屋の様子を描きつつ、お題として早口言葉を解いたりするという至って平和な内容。福田脚本だったらこれでは済まなかったことだろう。

後半戦の1発目の披露となったのは、待望の新曲「My Heart Letters」。そらみスマイルとしてはもちろん、シリーズでも珍しいバラード楽曲となっている。ただそこに込められているのは「みんな大好き」という3人の想いであり、根本にあるものはこれまでの楽曲と変わっていないと言える。

さらに新衣装を身にまとい、もはやお馴染みとなった「OPEN DREAM LAND!」を披露。流れるように「Ready Smile!!」へと続き、会場は再び熱気に包まれる。先ほどまでバラードでしっとりしていたのが嘘のようだ。

MCを挟み、紹介されたのは「そらみスマイル史上最もポップでアゲアゲ」と謳う新曲「ウィー♡アー☆☆☆神ING!」。タイトルの雰囲気でなんとなく予想できるとおり、出だしからフルスロットルでアップテンポの楽曲である。そのなかに怒涛のコールが散りばめられており、ライブで盛り上がるために作られた曲と言ってもいいだろう。こちらも良い意味でそらみスマイルらしくない曲だが、そのなかには過去の楽曲の振り付けがふんだんに取り入れられているため、彼女たちの歴史に思いを馳せられるという側面も持った曲である。

続く「トライアングル・スター」では観客に背を向けながらのパフォーマンスが印象的だった。客席に背を向けるとは何事と思うかもしれないが、モニター及び配信画面に映っているのは満員の観客と共に星を描く振り付けを行うそらみスマイルの姿である。今回のライブでは「空を見て笑顔」というチーム名にちなんでステージの天井にもカメラが取り付けられており、ダイナミックな視点が特徴的でもあった。その利点を最大限に活かした演出だったと言える。

夜公演のMCでは芹澤優が「この3人で良かった」とその想いを涙ながらに語っており感動不可避だった。自分の中で芹澤優は良くも悪くも典型的なアイドルという印象なのだが、それだけに彼女が作品やチームへの愛で涙する場面に弱い。全体を通してMCでは今回のライブに最も意義を感じている芹澤優、自然体な久保田未夢、そして座長として溌剌と進行をする茜屋日海夏と、その雰囲気が作中のそらみスマイルを彷彿とさせていたように思う。

クライマックスとして最初に披露されたのは新曲「ウィー・ラブ・プリパラ!」。曲の雰囲気が「OPEN DREAM LAND!」に似ているところがあり、「これはアドパラ2期のOP曲に違いない」と勝手に思っていた。そうであってほしい。

続けて披露されたのは「Growin' Jewel!」。この曲のイントロを聞くだけでアニメ『プリパラ』が最終回に向かっていくあの物悲しい感覚が蘇ってくる。しかしそれから8年。その期間には続編の『アイドルタイムプリパラ』が発表され、それだけでも予想外の延長で満足だったのに、さらに「アイドルランドプリパラ」までも展開された。今回の単独ライブだって当時、誰が予想していただろうか。これだからプリパラはやめられない。

最後に披露されたのは「組曲フォーエバー☆フレンズ~第一楽章~「I FRIEND YOU!!」」。この曲を聞くと、そらみスマイルが神アイドルとなったあの神々しい瞬間を思い出す。メイキングドラマの再現も行われるなど、そらみスマイルの歩みが詰まった楽曲だと言えるだろう。しかしそれはあくまで“神アイドルになるまでの”である。そらみスマイルが神アイドルになってからの景色を、この単独ライブのみならず、これからも見せてほしい。そう思えるライブだった。

3人がステージから去り、配信ライブで見ていた自分としては「アンコールだろうが!」と息巻いていたが、現地ではいまいち足並みが揃わない。それもそのはずで、プリティシリーズのライブでは普段は明確にエンディングがあるため、アンコールを求められることは珍しいのである。とはいえ次第に客席からはアンコールを求める声が飛び交うようになり、それに応えて再びそらみスマイルが登場。

当然ながら披露されたのは「Make it!」である。プリパラのライブはこれがなければ終われない。客席もそれを理解しているのか、もしくは終わりを迎えるステージに悔いを残さないようにしているのか、ひときわ大きい熱気に包まれる瞬間だったように思う。最後はチーム結成の儀式を模した、

これからもみんなに会えるように、神アイドルとしてライブをし続けることをここに誓います!

という3人の宣言をもって、大盛況の中で閉幕を迎えた。

まるで『プリパラ』の歴史を最初から最後まで追いかけたような満足感のあるライブだった。やはり『プリパラ』という作品はそらみスマイルと共にあり、彼女たちはその象徴なのだろう。可愛いようでかっこいいような、親しみやすいようで神々しくもあるような、そらみスマイルを見ているとそんな不思議な感覚に包まれる。ノンシュガーと同様に、第2回の単独ライブにも是非期待したいところだ。

解禁された情報

夜公演後には恒例の特報が発表された。合同ライブということでウィンターライブなのかと思いきや、開催は11月16日(土)となっている。このライブによってウィンターがどうなるのかは少し気になるところだ。

やはり『ひみつのアイプリ』が初参戦となったのが最も大きいだろう。動画の中にはチィの姿もあるということで、今後の本編にも期待が膨らむところだ。

そしてファン待望すぎるソングコレクションの発表もあった。アドパラのサントラである「アイドルランドプリパラ ソング♪コレクション OPEN DREAM LAND!」のほか、ライブ等で披露された未音源楽曲を収録した「プリパラ ソング♪コレクション Melody Moments!」も同時発売されるとのこと。「遅いわ!」と言いたいところだが、発売されるだけヨシとしよう。

11月は素敵な一ヶ月となりそうだ。その日を心待ちにしつつ一日一日を歩んでいきたい。

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