【感想記】ワッチャプリマジ!第40話「You are MY Sunshine」

【感想記】ワッチャプリマジ!第40話「You are MY Sunshine」 ワッチャプリマジ!

プリマジおしまいだお

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TVアニメ『ワッチャプリマジ!』第40話 先行場面カット・あらすじ公開! | アニメイトタイムズ
【アニメイトタイムズ】2021年10月3日(日)から、テレビ東京系6局ネットにて好評放送中のTVアニメ『ワッチャプリマジ!』(以下、本作)。2022年7月24日(日)放送の第40話「You are MY Sunshine」より、先行場面カッ...

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あわれな男

グランドフェスを前にして、フェスリダ学園長と阿智彦との対話の場が設けられていた。表向きは互いに協調しているような態度をしているものの、その裏ではフェスリダはチュッピを劣った存在と決めつけ、阿智彦は魔法界のそういった認識に対して憤りを感じている。

フェスリダや元老院のそういった差別意識には当然問題はあるが、だからといって阿智彦のやり方が正当化されるわけではない。「ワッチャを限界まで注ぎ込み、チュッピを一時的にマナマナ化する」というのは言うならば人体改造である。またそれは「プリマジ」という概念の根幹を揺るがすものでもあるだろう。

阿智彦の過激な行動を駆り立てているのは道人の影響が大きいようだ。あうるが調査したところによると、阿智彦と道人は親友でもありライバルでもある関係だったようだが、あるきっかけでその関係が破綻した。それこそがチュッピをマナマナにする計画だったのだろう。道人はその危険性を察知し計画を中断したようだが、阿智彦はそれが許せなかったと見える。

つまり阿智彦は単にライバルより自分が上だと証明するという顕示欲のみで行動しており、プリマジにおける「灼熱ドリーマー」などでは決してない。彼の本性は自身の正当性を示すためなら他人を平気で利用する狡猾な人間である。

これまでの回を視聴して、そうは言っても阿智彦の心にはプリマジへの愛情があるのではないかと考えていた。方向性が過激なだけで、その根っこには「プリマジを盛り上げたい」という気持ちがあると思っていたのである。しかし蓋を開けてみれば、そこにいたのは過去のライバルに執着しているだけの惨めたらしい存在だった。阿智彦にはガッカリだ。

ジェニファーと阿智彦

そして悲劇は起きてしまった。上記のあうると阿智彦のやり取りを、ジェニファーが聞いてしまったのである。

今回において、ジェニファーはグランドフェスの出場を決意している。そうするに至ったのは阿智彦の頼みだったというのが最たる理由だろう。ジェニファーにとって阿智彦の存在の大きさは我々が想像する以上に大きい。プリマジへの扉を開いてくれた存在であり、またリューメとの別離の際には自分に代わって涙まで流してくれた。阿智彦を「日本のお父さん」と呼んでいることからもその信頼の大きさが伺える。そんな人が「プリマジを守りたい」という理由で、自分に「グランドフェスに出てほしい」と頼んでいる。だからこそ奮起してステージに立つ決意ができたのだろう。

しかし信じていたはずの阿智彦は実際には自分を単なる道具としか見ていなかった。「プリマジを始めてから今までの人生は何だったのか」仮に自分がジェニファーだったらそう考える。阿智彦の存在がジェニファーにとって大きいからこそ、彼の嘘に気がつくことは自我の崩壊へと繋がってしまう。

ライブ前に「私には本当の気持ちを言って」と阿智彦に投げかけたジェニファー。阿智彦から返ってきた言葉はいつもどおりの希望に満ち溢れたものだったが、今のジェニファーにはそれが嘘だとわかってしまう。すべてを諦めたように悲しく笑うジェニファーの表情が頭から離れない。

崩壊の序曲

そうしてジェニファーのプリマジが始まった。今の彼女を立ち上がらせているのは「私はチャンピオン。私さえ我慢すれば」という責任感のみである。逆に言えば今のジェニファーの心の中にはプリマジに対する夢や希望といったものは皆無ということだろう。

ライブはまさかの新曲となった。5人センターやデュオライブなどを挟んだものの、個人として初めて2曲目を出すのがラスボス枠のジェニファーというのはドラマティックだ。曲名は「Lux Aeterna」。

荘厳な曲調が印象深いが、この曲のすべてはタイトルに集約されているように感じる。「Lux Aeterna」の意味はラテン語で「永遠の光」という意味らしい。ニュアンスだけだと希望に満ちたような言葉に感じるが、実際にはカトリック教会のレクイエムの中に登場するものであり、死者の安息を願う文脈で用いられている。

ライブの最中、阿智彦の指示と祈瑠の暴走によりワッチャを注入されたジェニファーは、自身の身体の限界を感じながらも、その内面でもうひとりの自分と出会う。それはおそらく太陽のエレメンツであるのだろうが、個人的にはジェニファーの心の中にある防衛本能のような存在でもあると考えている。

「マジだから苦しい」ジェニファーにその言葉を言わせてしまったことが何よりも心苦しい。まつりが憧れたジェニファーは、誰よりもプリマジの素晴らしさを信じ、それを体現する存在だったからこそだろう。今の彼女はもはやプリマジを愛することができなくなってしまった。

結果としてジェニファーはプリマジスタとしての本来の実力に加え、「全てを消し去ろう」という太陽のエレメンツの意志が融合し、限りなく最強かつ危険な存在に変貌してしまった。「Lux Aeterna」はこれまでの自分への手向けの曲の意味合いがあったのだろう。

変貌したジェニファーの実力は魔法界の統括であるフェスリダを吹き飛ばすほどで、それだけでもその力の強大さが伺い知れる。今回の新OPを見ても思ったことだが、いよいよバトルアニメのような様相となってきた。

この様子を見て阿智彦はひとりでテンションを上げていたが、しっかりと報復されていてスッキリした。阿智彦に憎しみたっぷりに容赦なく槍をぶん投げるジェニファーは、作画の素晴らしさも含めて名シーンだ。彼女にはそのぐらいやってもいい権利がある。

個人的にはこれまでの不安定だったジェニファーとは違い、冷たい目をしている部分や嘲笑った表情が好きなのだが、変貌しすぎて彼女はプリマジの構造自体を破壊しようとしているらしい。それはさすがにプリマジ視聴者として困るところだ。しかし今のジェニファーはどう見ても手のつけようがない存在であり、一同には絶望感が立ち込める。

そこについに登場したのが道人だった。この場面での登場は救世主のようでカッコ良すぎる。プリティシリーズにおいて、かつてこれほどまでにまともなお父さんが存在しただろうか。道人は今回の一件に深く関わっており、キーマンとも言える存在だろう。彼の登場がどのような影響を与えるのかに注目していきたい。特に阿智彦とのやり取りは楽しみにしたい。

次回、第41話「プリマジ、マジ終了!?」

予告映像を見た印象では気楽な感じの回になるかと思いきや、字面で見るとあまり穏やかでは無いような印象を受ける。ジェニファーは「ジェニファー=アポローン」なる存在に変貌してしまったようだ。

新システムの稼働、しかしそれは阿智彦の目論見とは違い、ジェニファーと太陽のエレメンツ・アポローンとの融合を引き起こしてしまう。強い悲しみからプリマジ自体を憂うジェニファー=アポローンにより全てのコーデが失われ、すなわちそれはプリマジが出来なくなる事を意味していた。まつりたちは、ジェニファーを救うためには、伝説のユーフォリアレビューをプリマジを通じて再現させるしかない事を知るが、エレメンツ達も含めてマジが失われた世界でプリマジを行う手段はなく…

エピソード ワッチャプリマジ!|テレビ東京アニメ公式

やはり鍵を握るのはまつりだろう。ジェニファーに憧れてプリマジを始めたまつりは、「誰よりもプリマジが好きな頃のジェニファー」を理解しているはずである。それを思い出させるきっかけとなってほしい。

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