『アイドルランドプリパラ』のアルバムがついに発売。休止期間を含めて最終回まで約2年間かかったこともあり、もう一方のアルバムと同様にあまりにも待ちわびた。アニメ本編を振り返りつつ曲の感想を書いていきたいと思う。
全曲レビュー
※見出しは「タイトル / アーティスト」
OPEN DREAM LAND! / SoLaMi♡SMILE
2021年にこの曲が初披露されたときは、あくまでも「そらみスマイルの新曲」という印象のほうが強かった印象だ。しかしそれからライブではもちろんアニメやアプリでも繰り返しこの曲に触れることになり、今ではすっかり『プリパラ』を象徴する曲のひとつに昇華されたと感じる。
『アイドルランドプリパラ』を象徴する歌詞の数々、そしてそらみスマイルの優しい雰囲気を残しつつも壮大さも感じさせる曲調。思い出補正もありそうだが、個人的には限りなく完璧な曲だと思っている。
カオティックハリケーン / あまり
最終回を見た後にこの曲の歌詞を見ると、現在のあまりちゃんとのギャップに驚かされる。迷いや不安を抱えながらも前に進まざるを得ないあまりちゃんの心情がカオスなハリケーンとして表現されているのだろう。コンプレックスをエネルギーに変えてライブで爆発させることができるのがあまりちゃんの強さであり、らぁらはそんなところに輝きを見出したのかもしれない。
チョコレートアイスクリーム・トルネード / マリオ
この曲のCGライブ映像をYouTubeで見た時の衝撃は忘れられない。「プリパラはどうしちまったんだ」と思ったものだが、同時に新しい風が吹き荒ぶのを感じたものである。
『アイドルランドプリパラ』ではマリオという存在がいたから必然的にプリパラと男プリの関わりが増えていたと思う。そう考えると意外に繊細な役割を果たしていたのが彼だとも言えるだろう。
My Way Star☆ / DressingPafé
ドロシーがセンターの楽曲。もはやドロシーのソロ曲と言っても過言ではないかもしれない。傍若無人で自意識過剰で傲岸不遜なドロシーだが、だからこそ最高に可愛い。歌詞では彼女のアイドルとしての根本が描かれていると言えるだろう。
またロックでポップな曲調はドレシの真骨頂である。CGライブでの息のあったダンスやそれを引き立てるカメラワークも素晴らしく、地味にドレシ楽曲のなかでも完成度が高い。
リープ・トゥ・ザ・ゴールデン・イヤー!!! / EVER GOLD
チーム結成から約5年半を経てついに披露された楽曲。冒頭から繰り出される予想外のアラビアンな曲調に意識を持っていかれるが、「一緒じゃなくちゃイヤ!」という歌詞があらわしているように、そこで歌われているのは彼女たちの黄金の友情である。『アイドルタイムプリパラ』では常に渦中にいた3人ではあるが、それと同時にストーリーのなかで友情の尊さを学んでいった3人でもある。だからこそ彼女たちの友情は眩しく輝いているのだろう。
ポォロン♪あまやどりのうた / あまり&ポォロロ
余りもの同士が出会い、友達になるまでの歩みを描いた曲。優しい曲だが、聞いているとどこか切ない気持ちにもなる。情緒に溢れた楽曲だ。
作中においては、あまりちゃんが等身大で向き合った初めての存在がポォロロだったように思う。らぁら達はあまりちゃんに優しさを向けることはできても、心の奥底にあるコンプレックスを理解することは最後までできなかった気がする。一方であまりちゃんとポォロロはサイズこそ違えど心の中はかなり似通っている。だからこそ互いに人見知りでありながらも、2人は友達になれたのではないだろうか。
究極合神アマリオン -破滅と創造の狂想曲- / アマリオン
アニメ本編のメイキングドラマ対決や、実写ライブの殺陣など話題に事欠かない曲だが、あらためて歌詞を眺めると壮大な痴話喧嘩であることがわかる。アニメの展開ありきなので歌詞だけを追う意味はあまりないが、1番では「キライ うざい ヤバイ」と言っていたあまりちゃんも、2番では「輪廻転生! 漆黒の翼!」とノリノリになっているのに笑ってしまった。型破りな曲ではあるが、これがアルバムの締めくくりというのがまた『プリパラ』らしいのかもしれない。
アルバム全体の曲数としては少なめだが、同時発売の「Melody Moments!」と被っている部分もあるので仕方がないだろう。別物として発売されてはいるものの、実際には2枚合わせて楽しむ前提である気はする。
アルバムの発売は、ひとつの作品の終幕を告げる鐘の音のようなものである。寂しくもあるが、どこか喜ばしくもある。現行で展開されている『ひみつのアイプリ』、そしておそらく水面下で計画されていてほしいアドパラ2期など、未来の作品のアルバムを期待しつつ感想の終わりとしたい。
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明日蹴ったボールじゃなかったか