以前より気になっていた「シングルモルトウイスキー」から、今回は『ロッホローモンド クラシック』を選んでみた。
「シングルモルトウイスキー」の定義としては、
- 大麦麦芽(モルト)のみが原料
- ひとつの蒸溜所の原酒のみで瓶詰めされている
という条件が挙げられる。製造にかかるコスト、そしてブランド品のような扱いにもなっており、一般的なウイスキーより価格が高めであるのも特徴だ。
そのなかで「ロッホローモンド クラシック」は3,000円程度であり、その他のウイスキーと大差ない。初めてのシングルモルトウイスキーとして選んだ理由としてはそのコスパによるところが大きい。
「ロッホローモンド」の由来と特徴
ロッホローモンドの歴史は、スコッチウイスキー最古の蒸留所である「リトルミル蒸溜所(1772年設立)」をルーツに持っているようだ。その後、現在のロッホローモンド蒸留所が1966年に設立されている。「ロッホローモンド」は「ローモンド湖」の意味で、蒸溜所がその湖のほとりであったことに由来しているそうだ。
異なる蒸留器の原酒
ロッホローモンド蒸溜所は
- ストレートネック蒸留器
- スワンネック蒸留器
という異なる蒸留器を所有しているらしい。

これにより異なる個性を持った原酒が作られ、それらをブレンドすることが「ロッホローモンド クラシック」の複雑な味わいに繋がっているとのことだ。
自社のクーパレッジ(製樽工場)を所有
ロッホローモンドは自社のクーパレッジ(製樽工場)を所有していることも特徴である。敷地内にクーパレッジを所有している蒸留所は、スコットランドのなかでもわずか4ヶ所しかないようだ。

最大の特徴は「リチャー」と呼ばれる樽の焦がし直しを行っていることで、これにより廃棄された樽の再利用を可能としている。現代に即したサステナブルな取り組みだと言えるのかもしれない。
試飲感想
香り・味わい・余韻の三要素で評価。
- 香り
- 好みが分かれそう。最初の印象は薬品っぽい匂い。慣れてくると蜂蜜のようなフルーティな香りがほのかに見えてくる。
- 味わい
- 最初はまろやか。その後に黒糖のような甘み。アーモンドのような香ばしさ。
公式サイトに書いてあった「桃、洋ナシ、オレンジ」などのフルーティさはよくわからず。
- 余韻
- ビターチョコのような後味。ほのかなスモーキーさも残る。
初めてのシングルモルトウイスキーとなったが、その第一印象は「耳鼻科みたいな臭い・味」と散々なものだった。これはモルトを乾燥させる際のピート(泥炭)に由来する香りや風味だそうだ。ピートにも様々な種類があり、なかには「メディシナル」と呼ばれる薬品などを想起させる香りを持つものもあるとのこと。正露丸の匂いに例える人も多いようだ。

ただ初体験で面食らっただけで、一本を飲み干す頃には香りにも慣れ、その奥にある複雑な味わいがなんとなく理解できるようになってきたように思う。個人的には「ロッホローモンド クラシック」は舌の奥で感じる蜂蜜や黒糖のような深い甘みが最大の魅力に感じた。
初めてのシングルモルトはなかなかに刺激的な体験だった。もう何本か飲んでみて、よりその深みにハマってみたい。そう思わせてくれたという意味で、この一本を選んだのはたぶん正解だったのだろう。




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