『Undertale』感想

『Undertale』感想 ゲーム

それなりに話題になった『Undertale』というゲームを配信でクリアした。最初は普通のルートを、その次は敵モンスターをすべて虐殺するジェノサイドルートを、そした最後に誰も傷つけない平和ルートを攻略した。それなりに遊ばせてもらったわけなので感想を書いていきたいと思う。

最初に言うならば、Undertaleは間違いなく面白いゲームであるということだ。このゲームを自信を持って非難できる人はあまりいないと思う。では手放しで称賛するべきかと言えば、自分は決してそうではないとも思う。Undertaleをプレイし終えた後の感情は非常に複雑で多岐にわたる。簡単に結論を出せるようなゲームではないのである。

そういった性質があるため、この記事でもときに褒めたり、ときに批判したりといった書き方になるのであらかじめご了承下さい。

ストーリーとキャラクター

まずストーリーについてだがこちらについては言うまでもなく素晴らしい。これまでのRPGの歴史をあざ笑うかのようなアンチテーゼやメタ発言の連続で、それがこのゲームの骨子となっていたことは間違いない。むしろこの点が無ければUndertaleはただの凡庸なPCゲームでしかなかっただろうと思う。

次はキャラクターについてだが、ストーリーについて文句が無いということは同時にそれを構成するキャラクターにも文句が無いということである。つまり満足だ。またキャラクターの性格についてもルートによって真逆の対応をされたりするので、各ルートを対比する楽しみも生まれていたと思う。どのルートを選んでも性格が変わらないキャラクターもいるのだが、それだけに自分の選んだ道が本当に正しいのかどうかも考えさせられたりもした。むしろUndertaleにおいてはキャラクターこそが世界観を形作っていると言ってもいいかもしれない。

「Undertale2」なんてものは見たくない

Undertaleの特徴的な点として戦闘システムもあるのだが、上記のストーリーやキャラクターと比較するとこちらは微妙だ。コマンド式の戦闘に慣れてきた身としては新鮮さはあるのだが、やはりそれは出会い頭の衝撃だけで永続的な楽しさには繋がらない。そこから飛躍して言うならば、UndertaleはドラクエやFFのようなナンバリングタイトルには絶対になりえない(もちろん製作者自身がその点は理解していると思うが)。ただこれは批判というわけではなく、むしろこのゲームの最大の特徴だと自分は思うのである。

どういうことかと言うと、このゲームの魅力はプレイ開始からクリアという短期間に閃光のようなまばゆい輝きを放つ点にあるわけで、それは次の世代に受け継がれていくようなものでは決して無いと思う。それは悪いことではない。このゲームはあくまでも現代に生きる我々に痛烈に訴えかけるために生まれたゲームなのであり、プレイヤーはこのゲームに触れられた今この瞬間の感情だけを大切にするべきだ。続編に期待したりするのはナンセンスなのである。

Undertaleは現代に存在するRPGを徹底的におちょくることでその任務を完遂した。これだけの大暴れをしたのだ。やり残したことはもう無いだろう。大切なのはこのゲームに関わった人間が次にどのような感情を抱き、その後にどのような選択をしていくかどうかだろう。

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