花は如何でか散りぬるを

駅前の桜が綺麗に咲いているかと思えば、二三日して見るとすでにほとんどが緑で忙しない。ふと「これだけの短い間のためだけに桜はなぜ咲くのか」という疑問が生じた。

まず花と言えば昆虫に花粉を運んでもらうために美しく進化したというのを聞いたことがあるが、調べてみるとそれは間違いではないらしい。問題はそのような重要な役割を担っているものを桜はなぜ簡単に散らせてしまうのかということだ。

一般的に「桜」と言えばソメイヨシノをさすが、その特徴として自身の木に生えている雄しべと雌しべでは受粉しないようになっているらしい。この性質を自家不和合性と呼ぶ。つまりソメイヨシノも他の木となら受粉が成立してサクランボができる可能性はある。ただ日本におけるソメイヨシノは挿し木で増やしたものであり、それぞれがクローンの関係にあるとのこと。つまり一見するとそれぞれが独立した存在に見える桜も内部的には同じ存在が横並びになっているだけであり、ソメイヨシノはそれらを自己と同一の存在と認識するため自家不和合性によって受粉は行われないということのようだ。つまり現代の桜は人間を喜ばせる以外の意味合いはかなり希薄になっていると言える。

これは仮説だがソメイヨシノはもはや自分の花びらに遺伝子を存続させるための役割を見出しておらず、それ故に花をすぐに散らせてしまうのかもしれない。いつか桜が咲かなくなるなんて日が訪れなければいいが。

参考:
https://www.usuisorairo.com/trivia/cherry
http://lab.agr.hokudai.ac.jp/botagr/sakumotsu/documents/5biol2plant.pdf
https://www.city.koka.lg.jp/secure/13709/08hana-kontyu%20kankei.pdf
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%AE%B6%E4%B8%8D%E5%92%8C%E5%90%88%E6%80%A7_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%A8%E3%82%B7%E3%83%8E

コメント

  1. 匿名 より:

    とても勉強になりました。

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